『ザ・サークル』あらすじ
メイ(エマ・ワトソン)は友人アニー(カレン・ギラン)の仲介により、『True You』という画期的なSNSを開発した世界的な企業“サークル(The Circle)”へ転職できました。
メイの入社から約1週間後、CEOのイーモン(トム・ハンクス)が新たなサービス、あらゆる場所に設置可能な小型カメラの映像を統括する『SeeChange』を発表。
メイは仕事と社内コミュニティへの参加で充実した日々を過ごすだけでなく、多発性硬化症を患う父親も会社の保険によってサポートされ幸福でした。
そんなある日、『True You』を開発したタイ(ジョン・ボイエガ)と親しくなったメイは、彼に案内されて地下階層を見せられます。もちろん、この時は社内に認証されないよう、社員証ともいうべき腕輪など外しています。
タイはメイを信用し、収集した情報を独占するサークルは危険だと告げたのです。また、サークルを変える必要があると。しかし、メイにはまだよく理解できませんでした。
メイは小さい頃からの友人マーサー(エラー・コルトレーン)が鹿の角で作ったシャンデリアの写真を『True You』へ投稿。そのことで後日、マーサーが訪ねてきます。彼を「鹿殺し」と決め付け、殺害予告まで送られてきていたのです。そんな2人をスマホやタブレットで撮影する、何も感じないサークルの社員たち。
マーサーはサークルの体質に染まったメイに嫌気がさし、彼女の前から去っていきました。消沈するメイはその晩、無断でフェンスを通り抜け、カヤックで夜の海へとこぎ出します。やがて、転覆して助けを呼ぶメイ。そんな彼女を『SeeChange』が映していたことから、すぐにヘリコプターに救助されます。
翌日、イーモンは発表会場で、脳性マヒで歩けない息子がビデオや写真を見て世界を体験していることを話し、メイに「君が見たものを見せないことは正しいことか?」と説得します。
イーモンはメイの不正と救助を利用して、彼女を『SeeChange』の広告塔に抜擢したのです。『SeeChange』に命を救われたことから、メイはこれを受け入れます。それ以後、小型カメラを身に付けたメイの私生活が全世界に公開されていきます。
実家に帰ったメイは両親を探しているうちに、意図せずカメラは両親のセックスを公開してしまいました。両親との音信は途絶えます。また、アニーはメイの友人ということで多くの問い合わせに疲れ切って、メイと距離を置くようになってしまいました。
ある日、重要な会議に出席することになったメイ。国民の全ての行政手続きをサークルのSNS登録で一元化することを提案します。やけになったのか、サークルに没頭したくなったのか?
一方、世界中の人々を利用して特定の人物を見つけ出す『SoulSearch』というシステムが構築されました。『SoulSearch』の発表会でテストの対象となったのがメイのかつての友人「鹿殺し」マーサー。見つかった彼は、恐怖から車で逃走。そして、彼を追跡していたドローンを避けようとし、橋から転落死してしまいます。
実家に戻って3日間悲しみに暮れるメイ。サークルを辞め故郷に帰っていたアニーとの通話から、自分のやるべきことを決意し、会社に戻ります。
発表会でのメイは、タイの協力でイーモン達の所業を全て公に。さらにサークルを公正化する決意をし、発表会を去っていきます。(この先は、映画『ザ・サークル』を見るものの判断に任せられます)
『ザ・サークル』キャスト
メイ・ホランド(エマ・ワトソン)
ボニー・ホランド(グレン・ヘドリー):メイの母親
ヴィニー・ホランド(ビル・パクストン):メイの父親(多発性硬化症を患っている)
マーサー(エラー・コルトレーン):メイの友人「鹿殺し」と非難される
アニー・アラートン(カレン・ギラン):メイの友人“サークル”に40人いる幹部の1人
イーモン・ベイリー(トム・ハンクス):“サークル”のCEO
タイ・ラフィート(ジョン・ボイエガ):『TrueYou』を開発者
『ザ・サークル』メイは承認欲求が強いタイプ
『ザ・サークル』エマ・ワトソン 日本向けインタビュー映像
「メイは誰かに認めらたいという承認欲求が強いタイプね」と、エマ・ワトソン。
「24時間、見られ続けるなんて恐ろしいわ。四六時中、誰かに見られていると、常に演技を求められるから疲れ切ってしまう」
エマ・ワトソン〈プロフィール〉
2001年に映画『ハリー・ポッターと賢者の石』のハーマイオニー・グレンジャー役でデビュー。以後、7作目の『ハリー・ポッターと死の秘宝』まで全シリーズに出演。
『ハリー・ポッターと賢者の石』と『ハリー・ポッターと秘密の部屋』での演技によりAOL最優秀助演女優賞に輝く。また、『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』ではイギリスの映画誌トータルフィルムの読者投票で最優秀新人に選出されます。
2009年12月、「過去10年間で最も興行収入を稼いだ女優」としてギネス世界記録に認定。エマが2000年から2010年までの過去10年間で出演した映画『ハリー・ポッター』シリーズの合計で約6000万ドル(日本円で約63億円)稼ぐ。
2015年、タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」の一人に選ばれる。
2017年には、ディズニーアニメの実写映画『美女と野獣』でベルを演じる。この映画は興行収入が12億ドルを超え、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』に次ぐ2017年の2番目に高い総収入の映画に。一方、『ザ・サークル』は興行収入が低迷し、否定的なレビューを受けます。
2018年8月、『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』に降板したエマ・ストーンの代役として出演することが発表されました。
終わりに
映画『ザ・サークル』には、映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには116件のレビューがあり、批評家支持率は16%、平均点は10点満点で4.3点だそうです。
レビューの良し悪しには関係なく、インターネットの世界はAIが搭載され、さらなる管理化が進んでいくでしょう。また、SNSの心ない発言も無法化し、傷つき自殺する人も出ています。
映画『ザ・サークル』が提示したSNSが完全に義務化されると、ジョージ・オーエル『一九八四年』やトム・クルーズの映画『マイノリティ・リポート』のような管理社会が出現します。確かに、犯罪者などを見つけ出したり、事件の早期解決には役立つかもしれません。
今の監視カメラの普及が、さらに完全化したことを想像すればわかります。また、恐ろしことに体にチップを埋め込むことも考えられています。そうなれば、プライバシーはもはや無くなります。
管理vsプライバシー、どんな世界が待っているのでしょうか?