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波瑠・雅代と〈えっち屋さん〉松山ケンイチ・宮川〈ネタバレ〉
『ホテルローヤル』は、現在から過去に時間が流れる7編あるオムニバスです。その中の3番目に〈えっち屋〉松山ケンイチが出てきます。
「なにも、こんなにいい天気にならなくたって、ねえ〜」
波瑠が演じる田中雅代は29歳。彼女は昨日ホテルローヤルを終業し、今日新たな人生に出発します。
30年前、雅代の父親は妻と息子と仕事を捨て、ラブホテル「ホテルローヤル」を始めました。その時の愛人るり子が雅代の母親。雅代が高校を卒業した日の翌日、母はホテルローヤル出入りのK珈琲の配達員と駆け落ちしました。
「幸せになりなさいよ」と雅代に声をかけて。
奇しくも、雅代が就職試験にすべて落ち、ホテルローヤルで家業を手伝うことになった日です。父は70代半ばで、肺を患い入院中。
松山ケンイチ・宮川は39歳。アダルト玩具販売(豪島商会)の営業担当。この日朝10時に売れ残ったアダルト玩具をホテルローヤルから回収にきます。
彼は上司の妻と不倫し一緒になり、安定した市役所をやめています。そのためか、騒ぎを起こすことを嫌うかのように、同じ地域で静かに淡々と生きています。
宮川を「えっち屋さん」と呼ぶ雅代。
雅代は棒に振ったかもしれない自分の十年を飾る相手として、宮川が相応しいのではないかと関係をもとめます。
アダルト玩具を入れた箱を持って、3号室へ。
Tシャツを脱ぎ、ブラジャーを外し、ジーンズを脱ぎ、雅代はへそまで隠れる肌色のショーツだけは残しました。
長い間、男との関係がない雅代の決心でしたが、ショーツだけはためらったのかもしれません。
「えっち屋さんもいろいろあるだろうけど、ホテル屋もいろいろあったんだ。御法度※を突き破って、すっきりここを出ていきたいんです。お願いします」
※【ご法度】商売道具とも言うべきホテルの部屋を使うことは、従業員は絶対にしてはいけないということから。
はたして、二人は……
その後、雅代は目的も決めず出発します。リュックとボストンバック2つと半年分の生活費だけ持って。「マイ・ブルーベリー・ナイツ」のエリザベスのように。
彼女の目の前には、青く広い空とアスファルトが続いています。
「ホテルローヤル」は、7話の短編があるオムニバス〈感想・あらすじ〉
(感想が長いのが、私が面白いなと思った話です)
第1話 シャッターチャンス
元同級生の加賀谷美幸と木内貴史。木内はケガでアイスホッケー選手をやめて何もない生活をしています。そして、素人投稿写真誌に投稿し受賞しカマラマンになることを考えています。そのため、今では廃屋となったホテルローヤルで美幸のヌード写真を撮りに来ます。写真を撮られながら、別れを決意する美幸。二人には何もない単調な人生が待っているのでしょうか。
第2話 本日開店
「本日開店」とは、檀家・青山の知り合いが死んだときの最後の意味不明の言葉!
その骨壺を青山からあずかる設楽幹子。元看護助手の彼女はお寺の住職で不能の西教の妻。夫の年齢は幹子より20歳上。今まで寺を守っていくため、毎月1回ずつ檀家4人と関係を持ち、その都度30,000円を〈お布施〉としてもらってきました。
ある時、檀家の一人が死に、その役目を息子に引継ぎます。年取った檀家との関係は触るぐらいになっていても、息子となると勝手が違ってきます。息子は幹子の体を抱き、「このご時世だから」と接待にも使うと言います。
〈お布施〉の関係から変わっていく幹子。住職もそのことに気づくと、他の3人からのお金は〈お布施〉として受け取りますが、引き継いだ息子のお金は、お布施として受け取ることはありません。
そっして、幹子の体も〈お布施〉ではない男女関係に目覚めていきます、まるで「本日開店」したかのように。
第3話 えっち屋
(波瑠と松山ケンイチが出てくる話。上参照)
第4話 バブルバス
墓地でのお盆の供養の予約を住職にした恵と慎一の中年夫婦。しかし、時間になっても現れない住職。浮いた住職へのお礼5,000円で、恵は思いきり声を出してしたいとホテルローヤルへ新一を誘います。彼らは、狭い家で細々と生活をつづけていますから。そして、恵はパートに出ることに。
「5,000円でも自由になったら、わたしまたお父さんをホテルに誘う」
第5話 せんせぇ
校長から元校長の教え子を紹介されて結婚した高校教師・野島広之。しかし何ということか、校長と教え子の関係は20年間、今もずっと続いているのです。野島はそれを知っていて、自分は校長と妻の添え物と感じ、行き場を失っています。
また、両親に相次いで出ていかれ、その両親からはなんの連絡もない女高生の佐倉まりあ。彼女も行く場がなく、二人はホテルローヤル3号室へと導かれるように電車に乗ります。
第6話 星を見ていた
山田ミコ60歳。5年間ホテルローヤルでベットメイクや掃除をしてきた従業員。成人した3人の子持ち、6人の水子あり。10歳下の夫は優しいが無職で、毎日ミコの体を求めています。
そんなミコは、誰からも苦労人と言われるが、何が苦労なのかわからない。母からはこう教えられていました。
「いいかミコ。おとうが股をまさぐったら、なんにも言わずに股開け。それさえあればなんぼでもうまくいくのが夫婦ってもんだから」
子供たちはみな外に出ていて、なにをしているかわからない。連絡もよこさない。ある日、左官屋になったという次男から「この金は母さんが好きに使ってください」と30,000円送ってきました。
しかし、次男は実はヤクザで人殺しの容疑者としてテレビのニュースになります。
ホテルローヤルの仕事を終え帰途につくミコ、知らず知らず森に入り……寒さで動かなくなった体。ただ、星を見ていた。死が迫ってきた時、夫の声が聞こえてきます……。
泣いても笑っても、体を動かさねばならない毎日は続く。
第7話 ギフト
波瑠演じる雅代の父山田大吉(42)が離婚して、愛人るり子を連れ「ホテルローヤル」を創業する話。
ホテルローヤルの立地は、周囲は草原。眼下に湿原。ほかにはなにもない。
「こんな景色を見ていたら、嬉しくてさびしくて、やっぱり女の体に埋れたくなってくる」
だから、ラブホテル経営はうまくいく……文字通り大吉か。
「ホテルローヤル。どうだ、なんか格調高いだろう。エンペラーよりシャトーより、ずっと格好いいと思わないか」
るり子は不倫していたときは大吉に「結婚してくれ」などいっさい言わず、一人妊娠のつわりに耐えていた娘。そんなるり子に早生みかん3個で6,000円のギフト・安産祈願と書いた桐箱入りの「ローヤルみかん」を持っていった大吉。健気だったるり子ですが、女将になってからは、はでで気ままな女になってしまい、出入りのK珈琲の配達員と駆け落ちすることに。「幸せになりなさいよ」と娘雅代に声をかけて。
ところで〈直木賞〉ってどんな賞なの?
なぜ、こんな疑問を持ったのかというと、
なぜこの『ホテルローヤル』が、〈直木賞〉に選ばれたのかわからなかったからです。ググってみると
直木賞は娯楽性に重きを置いている「大衆文学」が対象。
新進・中堅の作家が執筆した作品から選ばれる。 受賞者には賞として懐中時計、副賞として100万円が授与される。 直木賞の受賞作は「オール讀物」に掲載される。ちなみに、新人対象の芥川賞の受賞作は「文藝春秋」に掲載。
とありましたが、「大衆文学」もよくわかりません。また、ググってみるとこうありました。
大衆小説、大衆文学は、純文学に対して「芸術性」よりも通俗的で「娯楽性」に重きを置いている小説の総称
分かったような、わからないような……まぁ、生活に身近な娯楽小説っていうところでしょうか?
『ホテルローヤル』の舞台はラブホテル、通俗的で娯楽性に富んでいることは間違いありません。
『ホテルローヤル』には底辺に生きている人間の生活が、なんのてらいも矜恃もなく淡々と書かれています。少々暗いですが、これが普通の人々の人生でしょうか。
波瑠演じる雅代と松山ケンイチ演じる宮川のラブシーンも、原作では淡々としています。雅代の一大決心とは違いすぎて十年を飾ることなく終わってしまいます。
また、映画の予告編に出てくるような、波瑠がどなることもありません。
かなり映画『ホテルローヤル』は、波瑠と松山ケンイチが主体でも、心中事件など原作とは大きく違うストーリー展開になっているのかもしれません。原作『ホテルローヤル』は、映画になるようなダイナミックさはありませんので。
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直木賞作家・桜木紫乃さん単独インタビュー 8分30秒
映画『ホテルローヤル』公開直前応援企画
桜木紫乃【経歴】
釧路市立北中学校卒業。
北海道釧路東高等学校卒業。
中学生の時に原田康子の『挽歌』に出会い文学に目覚める。高校時代は文芸クラブに所属。高校卒業後、裁判所でタイピストとして勤めたが、24歳で結婚して退職し、専業主婦となる。
夫の転勤に従って釧路市、網走市、留萌市などに住む。
27歳で男児を出産。2人目の子供(女児)を出産直後に小説を書き始め、原田康子も所属した文芸誌「北海文学」の同人として活動。
2007年に『氷平線』で単行本デビュー。
金澤 伊代名義で詩人としても活動しており、詩集も刊行している。
ゴールデンボンバーのファンとしても知られており、直木賞受賞の記者会見では鬼龍院翔が愛用しているタミヤロゴ入りTシャツを着用したほど。
のちにラジオ「鬼龍院翔のオールナイトニッポン」で鬼龍院翔とは初対面も果たした。ストリップのファンでもあり、札幌道頓堀劇場に通っていた。
STVラジオ『貴族の時間』のリスナーであり、オンドレさくらぎの名前でメッセージを投稿している。
2013年9月25日、釧路市観光大使に任命される。
NHK北海道地方放送番組審議会の委員なども務めた。
桜木紫乃【作風】
作品のほとんどは北海道、特に釧路市近辺を舞台としている。「新官能派」のキャッチコピーでデビューした性愛文学の代表的作家であるが、人間の本能的な行為としての悲哀という描き方であり、過激さは低い。
実家は理容室であったが、15歳のときに父親が釧路町に「ホテルローヤル」というラブホテルを開業し、部屋の掃除などで家業を手伝っていたという経験が性愛への冷めた視点を形成したという。
代表作『ホテルローヤル』をはじめ、いくつかの作品に同名のラブホテルが登場する。
(ウィキペディアより)
『ホテルローヤル』北海道試写会トークイベント 28分
「ホテルローヤル」北海道試写会トークイベント
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