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映画【Red-レッド】

【Red-レッド】妻夫木聡・鞍田を原作から読む「欲望を隠さない」

金沢から鞍田と一緒に帰る塔子に小鷹からのメール、
「鞍田さん、癌が再発して入院するって本当か?」

これがベースにあることを考えると、鞍田の行動がわかります。最初に読んだ時はスルーしていたことも、二度目に読むと伏線が多くちりばめられていました。塔子を完全に手に入れたいのに、その直前で躊躇する鞍田の理由が。

最後の方、新幹線も停まるほどの大雪の金沢に小鷹(透子を狙っている)と塔子だけの出張。

鞍田は塔子を心配をして、大雪の中8時間かけて、金沢に着いた時には吐くほどの体調でした。これほどの情熱があっても、最後には塔子から手を引いていた鞍田。たぶん、この時塔子を手に入れようとすれば、塔子は鞍田についていったでしょう。でも……

 

塔子「じゃあ愛してますか?」
鞍田「結果的に嘘になるかもしれないことは、俺には、言えないよ」
塔子「うん。知ってる」(だから、この人は一人になったのだろう。他人を受け入れるということは矛盾することだから。自分の正しさを貫こうとすれば、誰とも生きられない)
鞍田「それは正直、結婚していた彼女にも、言ったことも、考えたこともなかった」

塔子は10年前にも同じ会話をしたことがあって、深く絶望したのだ。どちらも愛している、ならまだしも、誰も愛したことがない、という事実に最後の余力を搾り取られた。

金沢からの帰り、塔子は鞍田についていく決意をしますが、鞍田は言います。
「だから、君は離婚なんて考えずに、家に帰ったほうがいいよ」
「え?」

 

映画では、原作とは違う結末になります。はたして、最後に塔子は夫と娘を捨てて、鞍田についていきます。

塔子の友人矢沢茉希(まき)の証言

「どうせ鞍田さんから口説いてきたんでしょう。あの人、落ちついているように見えて、かなり手が早そうだし」

「結婚式のときに私が何色のドレスを着ていたとか覚えてて」

「あすこまでする人から逃げるのって大変だよ、塔子」

鞍田(妻夫木聡)の愛情と行動力!

塔子の2歳の娘翠が怪我した夜11時。塔子は夫に責められ、コンビニにパンを買いに出かけます。
そこへ、鞍田から携帯に電話があります。

「君……泣いているのか? 取り返しがつかない事故とか怪我じゃないかぎり、くり返さないようにすれば、大丈夫だよ」
大丈夫、という台詞が、弱り切っていた心に、たしかな骨格を伴って響いた。
鳴咽が聞こえないように携帯電話を離しかけた私はばっと顔を上げた。
目の前に一台のタクシーが止まった。
「君はどこも怪我したわけじゃないみたいだな」
今日初めて、君に怪我はなかったか、と訊かれた。

塔子(夏帆)の証言

この人は、と心の中で思った。欲望を隠さない。むしろ逃げられないくらいに視線を注いてくる。下心、という言葉が子供じみて聞こえるほどの緊張感に、吐く息にすら神経を遣う。

10年前。会社では自分がルールだから、外に出るときもその延長で普段着のTシャツにジャケットだけ羽織ってどこへでも行ってしまう。野心はあっても、上流の人たちとの付き合いに染まり切れず、成功を浪費している人たちを馬鹿にしていた。その屈折した気難しさを隠せるほどには鞍田さんも大人ではなかったのだろう。なまじお金を持っているからこそ、よけいに若さが悪く目立ち、どこへ行っても、彼はどこか浮いていた。

映画『ラスト・コーション』のトニー・レオンの青い炎が燃えているような瞳や、冷たいのにぎらぎらした感じとか、一見枯れたように筋張った首や手は、そういえば鞍田さんにちょっと似ていたな、と考え、だから思い出したんだと気付いた。

(小鷹との関係について)

鞍田「なにがあった?] いつだって、家の中の誰も気付かない。それなのに、時々、会社内で擦れ違うだけの彼に気付かれていた。

「君が怖がるなら安心させたいと思ったんだ。小鷹みたいに、俺は遊びじゃないよ。かといって君の平穏を壊したいとも思ってない」

性的な関わりを持つときの男の人は、皆、同じような顔をしている。どんなに女を支配しているようでも、じつは即物的な快感に支配された顔を。だから鞍田さんだけが謎だった。いざ触れるまでは圧倒的な欲求を感じるのに、深くなるほどに冷静になる。観察され続けている。誰もが我を忘れる瞬間でさえ心を許すことがない。

この人と寝ないという選択肢なんてない。自分の意志を超えて細胞から引きずられてしまう。そんな相手がこの世にいるなんて、そんなことがこの身に起こるなんて想像もしていなかった。まるで地獄だ、と思った。肉体が離れられないことは。快楽なんて全然、天国のものじゃない。

鞍田(妻夫木聡)の自己分析

「君は、若いわりに色んなことをわきまえていて、でも純粋で。俺を利用するとか、そういう考えが微塵もなかった。俺がなにかすれば素直に喜んだり感謝してくれたり、泣いたり。どんなときもまっすぐだった。相手はなにが目当てか、そればかりがよく見えていた時期だったから。君とどこかへ行くことで、そういう現実のキツさから解放されてたんだよ」

鞍田の塔子へ最後の気持ち

「今だって一緒にいたいよ。どうせ入院したって助かる保証もないんだったら、いっそ寿命を縮めても君のそばにいて幸せに暮らしたい。だけど、それで俺がとっとと先に逝って、残された君はまだ小さな子を抱えてどうする? 夢は覚めるし、いつか現実とは向き合わなきゃいけないんだ。いや、違うな。えらそうなこと言ったけど」
「はい」
「期待、させないでくれ」

小鷹(柄本祐)の証言

「成功してるわりには、どっか暗いっつーか、自己肯定できてない感じがするから。格好とかもさあ、無難だけど、とくに似合うもの着てないし。頓着しないっていうよりは、自分自身に愛着ない感じがするじゃん、あの人」

『レッド』原作と映画がどう結末が違うのか。今なら、Amazon Prime Video で見られます。(2022.4.20)

妻夫木聡&マイコ〈プロフィール〉

妻夫木聡
日本の俳優。
神奈川県立舞岡高等学校卒業。
【生年月日】 1980年12月13日 (年齢 39歳)
【生まれ】 福岡県柳川市(三橋町)
【身 長】 171 cm
【配偶者】マイコ (2016年から)
【事務所】 ホリプロ

マイコ
日本の女優、モデル。本名、非公開。
アメリカ合衆国シアトル生まれ、東京都出身
【生年月日】 1985年3月15日 (年齢 34歳)
【生まれ】 アメリカ合衆国 ワシントン州 シアトル
【本 名】 Maiko
【身 長: 168 cm
【配偶者】 妻夫木聡 (2016年から)
【事務所】ジーアールプロモーション所属

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※本記事は2024年1月19日現在の情報です。最新の情報は、公式サイトでご確認ください。

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