AMAZON ORIGINAL ドラマ『チェイス(CHASE)』第1章1話を見ていて、即これは面白い!と感じました。それは—
動画配信=OK 地上波=NG
最初は地上波とか、そうでないとかは意識していませんでした。ただ、「これは地上波ではなかなか放送できない内容だな〜」と感じました。なぜなら「何らかのクレームがくるだろうな!」と思ったからです。
しかし、スポンサーのクレームとか、警察などの公的機関からのクレームとかではありません。出勤する麻衣(本田翼)のものすごい脱力感に対する感じでした。ドラマ、フィクションといえ、あまりにその脱力感は地上波を超えていたからです。「こんな社員、会社ではありえない!」と。
そして、第1章7話まで見ているうちに、動画配信だからできることなんだ、と納得、その感想を書いて後の『チェイス』を紹介しようといろいろ調べてみたら……
本田翼さんと大谷亮平さんのコメントがかなり多く出てきて、「動画配信だからできること」を全て語っていました。ですから、ここではそのコメントをそのままお伝えします。
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Contents
『チェイス』本田翼&大谷亮平"本音"を語る!
本田翼さんが語る『チェイス』
頑張りすぎない麻衣
「麻衣ちゃんは割と素に近かったですね。麻衣ほど振り切ってはないですけど、でもやっぱり等身大の女の子だったので、すごくやりやすかった」
「何かを頼まれて『はい、わかりました!』と即答する何でもかんでも頑張る女の子ではなく、『ああ、面倒くさい』とか、人間が当たり前に抱く感情を敢えて出していこうと思いました。
TVドラマだとそういう部分は消されがちなので、やる気のなさや雑な部分を大事にしました。でも、麻衣ちゃんは事件のご遺族に会うとすごく感情移入してしまう。そういう良い部分はちゃんと取っておかないといけなかったから、両方のバランスに気を遣いました」
—放送が始まったらこういう風になる可能性がありますよね—
「私は全然、なんの抵抗もなかった(笑)。だって、あくまで1つの“物語”なので。見る方も内容に興味があるから見てくれると思っていましたし、『放送されたら……』というのは考えませんでした。まず台本がめちゃくちゃ面白かったので、私はそういった、面白いとか、好奇心とか、そっちが先に行ってしまったので、何も躊躇はなかったです」
大谷は「あの“セクシー・ピカチュウ”が良かった(笑)」
「あのシーンは深川監督がなかなかカットをかけてくれなくて。だからピカチュウのシーンはけっこうアドリブが多かったです。麻衣ちゃんの設定が24歳、社会人2年目ということで、きっと合コンなども行っているのかなと思って演じました。自分はやっていてめちゃくちゃ恥ずかしかったんですが、観ている方に身近に感じてほしいと思って頑張りました」
大谷亮平さんが語る『チェイス』
三上は何事にも屈しない骨太な男
「三上は元々大手の新聞社に勤めていて、そこでしがらみを感じてフリーになった人間なので、そういうところを意識して演じました。麻衣はすごく正義感が強くて情に流されやすく、少しでもこちらが油断するとそっちに引っ張られがちになるので、そうならないようにと意識しました。自分自身、絶対に曲げない部分がある三上には、男として憧れます」
「メディアが、国家権力による隠ぺいを取材して放映するというのはマスコミに対するタブーでもあるし、そういった作品を企画製作することも、また1つのタブー。なかなか地上波ではできないだろうし、配信系だからできることですよね。国家権力にメディアが向かっていくという、タブーなところによくメスを入れたなと思います。そこに思い切ってチャレンジした企画だから、今までに見た事のないような展開が待っているし、自信を持って面白い作品になっていると言えます」
「『放送が始まったらこういう風になる可能性がありますよね』みたいなところは、かなり話しましたね。その際、お答えいただいたときの熱意、ドキュメンタリーで扱うような題材で、もちろん地上波ではできないものを、(ネット配信)ドラマだったら多くの方に見てもらえるんじゃないかという気持ちに共鳴する形で、僕は出演を決意しました」
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『チェイス』盗作問題—各社の主張
私は、清水潔著『殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』(新潮社)を知らないまま、『チェイス(CHASE)』を見ました。盗作かどうかはわかりませんが、ドラマは地上波では決して見られない内容で面白かったです。おかしな点もありますが。
また、この盗作問題が解決したかどうか調べてみましたが、ニュースや記事では出ていません。現在『チェイス』が配信されていることは、なんらかの和解があったのかどうかは?
2022年11月『殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』を読了
清水潔氏は、ジャーナリズムは警察などの広報を信じないで、現場を何度も歩いて小さな声を聞け、と度々語っています。ですから、この本を鵜呑みにするわけにはいきませんが、本によると、検察・警察、科警研の主任研究官S女子がなぜ再捜査しないのか、それは自分たちのミスを認めると、その先が収拾つかなくなるからだと書いてあります。
たとえば、足利事件の犯人とされた菅家利和氏と同じ時期の不備なDNA型鑑定(「DNA鑑定」ではありません)で犯人とされた人物がすでに死刑になっています。もうDNA再検定ができないのです。ほかに何人も、同じDNA型鑑定で証拠にされた犯人がいるそうです。もちろん、DNA型鑑定だけが証拠にされたわけではありません。
DNA型鑑定は、厳密には特定の個人を限定するわけではなく、「型」つまり分類といえば良いでしょうか、同じDNAのグループに属するといったことなのす。ですから、少なくとも犯人と同じ型を持つ人々がいるわけです。それでも、何1000人分の1の確率ですから、証拠にはなるのです。今のDNA鑑定は個人を特定できる制度ですが。
菅直人総理の時に、この事件の再捜査に言及したことがあるのですが、そのすぐ後に東日本大地震が起こり、頓挫しました。タイミングを逸してしまったのです。非常に残念なことです。
(以下は『ウィキペディア』より)
【新潮社】
- 弊社および清水氏はドラマ『チェイス』の制作について何ら関知いたしておりません。
- 映像化につきましては、書籍発売後から数多くのお話を頂戴しておりますが、事件の被害者であるご遺族の感情に配慮し、弊社および清水氏は慎重を期して検討を進めております。
- ドラマを検証した結果、物語の展開やセリフ、情景描写など多くの類似点が見つかった。アマゾン側から映像化の申し入れはなかった。映像化については事件の被害者である遺族の感情に配慮し慎重を期している。
【日本テレビ放送網】
- 本ドラマは、当報道局はもとより被害者遺族への連絡・取材なども一切無く、事件被害者らの描写について多くの点で本件報道と類似点のある内容で制作・配信された。
【清水潔氏】
- 私はテレビ局員で普段はチーフディレクターという立場です。自らでドラマを撮った事もあり、自著『殺人犯はそこにいる』を簡単にドラマ化して良いなら、とっくの昔に自分でやっています。なぜそこに想いが至らないのか。
- 何より大切なことは遺族への配慮です。現実に起こった事件の『殺害の瞬間』描写など『ドラマ化』してはならないと考えています。これは日テレの足利報道や、桶川報道でも実践してきました。
- もしもあなたの大切な誰かが不幸な最期を迎え、悲しみの中で暮らしている時、ある日突然にその不幸をエンターテイメントの題材にされ、『架空の事件』なのだと再現映像化された時、あなたはそれを許すことができるのでしょうか?
『チェイス 第1章』制作スタッフ
共同プロデューサー四宮隆史は『殺人犯はそこにいる』を刊行直後に読んでいたことを認めた上で
- 足利事件に限らず、未だ解決の目処が立たない未解決事件を、未解決のまま放置しておくべきではない。
- 架空の連続ドラマという『入りやすい入り口』で表現することにより、広い範囲の人と共有することができ、結果として真相解明に向けた糸口が見つかるかもしれない。こんな想いから、ドラマ《チェイス》の制作を企画しました。
- 複数の文献や判決文等に記載された、客観的に明らかとなった周知の事実を踏まえて『架空の物語』を創作したものであり、特定の書籍に依拠したものではありません。
まとめ
『チェイス(CHASE)』は「これは地上波ではなかなか放送できない内容だな〜」と思い、動画配信だからできることを、本田翼さんと大谷亮平さんのコメントを通してご紹介しました。あなたもきっと『チェイス』を見たくなったのではないでしょうか。
私は『チェイス(CHASE)』を見ていて、麻衣(本田翼)が壁にぶつかる度に、いつも心の中で叫んでいました。
「麻衣、立ち上がれ!」
「麻衣、シャキッとしろ! 」
川上(大谷亮平)が警察に不法逮捕される時など
「麻衣、今こそお前の出番だ! 」と。
しかし……
脱力感の麻衣(本田翼)も第1章7話の最後では、かなり思い切った行動をとりました。しかし、よくあるドラマのように、それなりに成長したといえ、最後に真のジャーナリストになれた、というわけではありません。ちょっと寂しい気持ちが残っています。
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