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木村拓哉主演『教場』三浦翔平演じる日下部准とは?
2020年1月4日(土)5日(日)に放映される、木村拓哉主演『教場』(フジテレビ開局60周年特別企画)の登場人物について、原作小説『教場』から解説します。
第3回は三浦翔平演じる日下部准と西畑大吾演じる樫村卓実です。この解説が、テレビドラマ『教場』を楽しむのに役に立てば嬉しいです。
『教場』第四話「調達」
陰で「調達屋」と呼ばれている人物
警備勤務のある夜、日下部准と樫村卓実は、「役得タイム」の支給弁当を食べていました。
「交換してくれないか」と、日下部は自分のフキの煮物と樫村のきんぴらゴボウを箸で指します。
しばらくして、日下部はまた、交換したきんびらゴボウと樫村の卵焼きの交換を申し出ます。
そして、「今日、見たんだよ」と、日下部はは樫村に詰め寄ります。
「校内でも寮内でも所持できないはずの禁制品さ。でも不器用なあいつが、どうやってエロ本なんかを手に入れたんだろう……
誰かが調達して、こっそりあいつに売ったんじゃないかって」
日下部は、交換した食べ物のように物々交換をする調達屋が樫村だと見抜いていたのです。
そこへ、大柄の先輩警察官、尾崎が室内に入ってきました。
ボヤが発生し備品が損壊した事件
【7月4日午後4時前、校内施設において故意によると思料されるボヤが発生し……備品が】と、掲示板に張り出されている文書のことを尾崎は話します。
「まさか、日下部、お前が犯人じゃないだろうな」
「違いますよ」
日下部には確固としたアリバイがあります。しかし、尾崎は分かってねえな、というように顔の前で手を振ります。「集団の狂気って怖いぜ。微妙なアリバイなんざ役に立たねえ」
尾崎は解説します。
「学校側の締め付けが続くと、学生のなかで犯人の燻り出しが始まるのよ。少しでも怪しい奴がいりゃ、殴る蹴るのリンチまがいの手を使ってでも、そいつに罪を認めさせ、出頭させる。いわゆるスケープゴートってやつだな」
そう言って、尾崎はポケットから出した封筒を樫村に手渡します。「ほれ、樫村、この前言っていた資料だ」
脅す日下部と、手玉にとる樫村
尾崎が去った後、日下部は話を「調達屋」に戻し、教官に報告すると樫村につめ寄ります。
「見逃してはもらえませんか。もちろんタダでとは言いませんよ。准先輩が欲しいものと交換です」
『欲しいものって?』と答えを目で促す日下部。
「成績です、学科の点数ですよ」
樫村はそういうと、日下部のプロフィールの詳細を話しはじめます。
「元プロボクサー、C級ライセンス(4回戦ボーイ)で、3勝5敗2引き分け、同じ年の妻と3歳の娘がいる……クラスでダントツの最年長、ボクサーだったので節制が身についている。が、仲間の違反を指摘したがる、ときには教官への報告も辞さない。しかし、仲間をチクるやましい行いをしていたら、教官にも軽蔑されます。が、成績は下から数えたほうが早い……」
「30を越して妻子持ちときている。こうなってはもう転職するわけにはいきません……とにかく点数を稼いでおくことが必要です……授業のなかで自分はできるんだということを堂々アピールすればいいんです」
最後に、樫村はこう付け加えます。「僕だったら、准先輩に調達できるんですがね。やましくない点数を」
日下部の口からは、無意識に言葉がもれていました。「どうやって」
日下部は、授業で得意絶頂に
犯罪捜査用模擬家屋にて。
「台所で死体を見つけました。死体には外傷がありませんでした。——さあこの場合、まず何に注意すべきだと思いますか?」と教官。
「ガス漏れ……ですか」ある学生が答えます。
「はい、正解です。ただし、都市ガスでは中毒は起きません。一酸化炭素を含まない天然ガスに変わっていますから。ならば、なぜガスで死ぬか。答えは酸欠です。
さて、酸欠のほかにもう一つ注意点がありますね。爆発の危険性です。……この部屋に火花を起こすような装置はあるでしょうか?」
日下部は、率先して答えます。
樫村からこの答えをあらかじめ〈教官の口調から答え〉まで全て聞いていたからです。
「蛍光灯です」
「はい正解」教官はさらに「あと二つはありますよ。正解したら試験を免除してあげましょうかね」
日下部は、電話コードのモジュラージャックを持ち上げて「何かの洗剤がかかったりすると、火が出る場合があります」
「そう、正解です。トラッキング現象というやつですね」
その後、日下部は柱に取り付けてある懐中電灯を手に取り、電池を2本抜き出します。続いて、金束子(かなだわし)の鉄線を細長く伸ばすと、二本の電池を直列につなぎ、プラスとマイナス極に接触させます。
すると、鉄線は赤くなり、チリチリと静かに燃えだしました。
「まさか!ここまで知っている学生がいたか」と、唖然とする教官。
日下部は、樫村に目配せします。樫村も、胸の下で小さく親指を立てて見せます。樫村は、教官の授業をすべて調達していたのです。
「日下部、あなたってけっこう優秀だったようですね……能ある鷹はなんとやらですか」
日下部は苦笑いで応じると、教官はこう話を変えました。「そこまで、火のおこし方に詳しければ、もしかして、これに——」
テーブルに近づくと、被せてあったビニールシートを取り去ります。「見覚えがあるんじゃありませんか」
【掲示板】に張り出されていた、ボヤの焦げ跡でした。
悲しいかな、スケープゴートにされた日下部
逮捕術の授業。柔道着に剣道のちぐはぐな防具。一時間以上も組んだ日下部の体は、筋肉痛がひどく悲鳴を上げています。組んだ5人のうち3人が反則をしたのです。
しかも、いつも使っている筋肉痛予防のスプレーが隠され、見当たらないのです。よろける日下部、膝をつき、寝転ろがると、風間教官が日下部に手を差し出します。
日下部「やられました」
風間「なぜ、やられたか分かるか」
日下部「仕返しのつもりでしょう」
風間「〈ボヤは准先輩の過失〉ということで落着しつつある。君はそれで納得しているのか」
白髪教官・風間は、授業ですらすら答える日下部にその答えを教えた樫村の関係に気づいていたのです。日下部は考えます。『スケープゴートとして、樫村はなぜ俺を選んだのだろう?』
校内施設のボヤ事件の真相と調達
日下部が建物に入ってくると、風間の前に、落ち着きを欠いた様子で座らされていた樫村。風間の前には新聞が置いてあります。
「目を通せ。社会面だ」
【K署の巡査部長、覚せい剤所持容疑で逮捕】
逮捕されたのは、尾崎。彼が、校内施設のボヤ事件の犯人。覚せい剤をテーブルの上で炙って使おうとし、誰かに見られそうになり、あわてて包みを燃やして逃げていたのです。
「樫村、正直に答えろ。尾崎に頼まれて調達したな」
日下部の脳裏には、尾崎が樫村に渡していた封筒がよぎっていました。
【教場原作シリーズ】
→ 長岡弘樹原作『教場』読んだ!木村拓哉主演[教場・教場Ⅱ]はFODで
→ 長岡弘樹原作『教場』エピローグで、風間教官、右義眼を自ら暴露!
→ 長岡弘樹原作『教場2』読んだ!木村拓哉主演[教場・教場Ⅱ]はFOD
→ 長岡弘樹著『教場0 刑事指導官 風間公親』右義眼の戦慄の原因!
→ 長岡弘樹著『風間教場』最新長編を読んでみた。ガッカリ[ネタバレ]
→『教場0』から『教場X 刑事指導官 風間公親』へ。Xの意味は? ネタバレ
【教場ドラマについて】
→ 木村拓哉主演『教場』工藤阿須加演じる宮坂定とは? ネタバレ
→ 木村拓哉主演『教場』大島優子演じる楠本しのぶとは? ネタバレ
→ 木村拓哉主演『教場』原作と違った2点。義眼の理由と都築耀太
『教場』の三浦翔平と西畑大吾
三浦翔平
俳優、ファッションモデル
【生年月日】1988年6月3日
【生まれ】東京都
【身長】 180 cm
【配偶者】桐谷美玲(2018年から)
【事務所】 バーニングプロダクション
2006年 『E娘!』に4回と『GOOD LOOKIN′CLUB』にレギュラー出演
2007年 「第20回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」で「フォトジェニック賞」「理想の恋人賞」受賞
2008年 テレビドラマ『ごくせん 第3シリーズ』生徒役
2010年 初主演舞台『SAMURAI 7』[4]を演ずる。
2011年 映画『THE LAST MESSAGE 海猿』で第34回日本アカデミー賞新人俳優賞
2017年 『警視庁いきもの係』および『僕たちがやりました』刑事役
2018年 『好きな人がいること』で共演した桐谷美玲と結婚
西畑大吾
俳優、アイドル
【生年月日】1997年1月9日 (年齢 22歳)
【生まれ】 大阪府
【身長】167 cm
【学歴】 大阪学芸高等学校・附属中学校 (2015年卒)
【事務所】ジャニーズ事務所
2012年 永瀬廉、大西流星と『なにわ皇子』が結成さ
2014年 NHKの連続テレビ小説『ごちそうさん』に、杏演じる主役の「め以子」の、次男「活男」役
2016年 2月、NHKの連続テレビ小説『あさが来た』に、宮崎あおい演じる「眉山はつ」の、次男「養之助」役
2018年 関西ジャニーズJr.内ユニット・なにわ男子のメンバーに選ばれる