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『教場』工藤阿須加と林遣都

木村拓哉主演『教場』工藤阿須加演じる宮坂定とは?

2020年1月4日(土)5日(日)に放映される、木村拓哉主演『教場』(フジテレビ開局60周年特別企画)の登場人物について、原作小説『教場』から解説します。

第1回は工藤阿須加演じる宮坂定と林遣都演じる平田和道です。この解説が、テレビドラマ『教場』を楽しむのに役に立てば嬉しいです。

※2021年テレビドラマ「教場2」では、宮坂は交通事故で死んでしまいますが、原作では死にません。(死んでしまうのは別の人物)

『教場』第一話 職質

「なあ、次はどいつだと思う、98期は?」
「宮坂って奴だろ。ちょくちょくヘマをやらかすって話だ」
「平田っての知っているか?」
「ああ。たしか親父さんもサツ官なんだよな」

98期生の宮坂は、97期の学生たちの会話を聞いています。宮坂は、平田より2、3歳下です。

「ま、何にしても、その2人のうち、どっちかだろうな」
「じゃ、おれは本命の宮坂に3,000円」

この会話は、リタイアする生徒を当てるカケをしているのです。

なお、警察学校では、成績が悪いと依願退職を迫られます。警察学校生は1か月以上なら給料も支払われるので、退学ではなく退職になります。

『教場』白髪教官・風間公親の登場

宮坂と平田は、一昨日の職責(職務質問)の授業でヘマをやらかしました。最低のできだった宮坂の班は、そのためトイレ掃除を命じられます。

宮坂は隣室の学生から、『硫黄乳白色・天然湯の花』(入浴剤)をお土産にもらいます。が、入浴剤は禁止されているので、トイレのゴミ箱に捨てました。

トイレには、殴られ泣いた顔を洗っていた平田もいました。平田は、宮坂のトイレ掃除を手伝います。その時、呼び出しがかかりました。

〈植松学級の学生は、ただちに第三教場に集合のこと〉

教場では、植松教官の入院の知らせと、代理の教官の紹介がありました。教壇に上がった代理の教官は、「風間公親(キミチカ)だ」というたった一言で、教壇を降りてしまいました。

宮坂は、「キミチカ」から「気短か」と連想して、ちょっとしたミスでも叱責されそうなイメージを持ってしまいました。

宮坂と平田の父親との関係

教場当番になった宮坂に、風間は問います。
「警察学校とはどんなところだ」
「篩(ふるい)でしょうか」と、宮坂。
「なるほど、もう一つ訊く。なぜ警察官を目指した?」
「雪のせいです」

宮坂は雪のためハンドルを切り損ね、ガードレールを突き破り崖から転落。足首を捻挫し、車は雪に閉じ込められてしまいました。排気ガスが車内に入るのを防ぐため、エンジンは切るしかありません。バッテリーは上がり、ヒーターが止まってしまいました。しかも、そこは携帯電話の圏外。寒さのため、宮坂は自分の葬式を思いえがきます……

そんな宮坂を助けてくれたのが、駐在所に勤める巡査部長、平田の父でした。

「つまり、命の恩人に憧れたから、というのが質問の答えだな」
「おっしゃるとおりです」
「少し残念だよ」
「……なぜでしょうか」
「憧れているようでは、先が思いやられるからだ。むしろ、警察官に文句があるから警察官になった——そんな学生の方が、ここには向いている。わたしの経験から言わせてもらえればな」

宮坂の下手な芝居を見破り課題を与える風間

風間は宮坂に授業と同じように、この場で自分に〈職責〉をしろと命じます。しかも、失敗したら退職だと。そして、教場では宮坂がわざと下手なふりをしたことを暴いてしまいます。そんな白髪教官・風間公親は、宮坂に日々気づいたことを報告させる課題を与えます。

宮坂の今日の報告。

  1. 授業中に硫黄の匂いをさせている者が何人かいたこと
  2. 第一寮の一階トイレから便器用の洗剤が1本なくなっていること

すると、白髪教官・風間は命じました。
「すぐグランドに集合させろ。ランニングだ。25周」

平田和道の絶望と決意

宮坂は自室に戻るとベットに倒れこんで、他の学生が風呂に行く足音を聞いていました。

「ちょっと失礼」。そこへ、平田が現れます。
「明日の1時限目は逮捕術だよね。実はおれ、ワッパの掛け方が、いまいち下手なんだよね」
そう言い、宮坂に協力してもらう平田。

宮坂を強引にベッドの上にうつ伏せにすると、手錠をかけます。しかも、ベッドの枕元の鉄棒に固定してしまいました。

平田は外に出ると洗面器も持って戻り、宮坂がトイレで捨てた入浴剤の粉をその中に入れ始めます。
「冗談は明日にしましょう」と、身動きできない宮坂。

「明日? 明日なんてないね。今日でおしまいだよ。どうやらおれ、失くしちゃったみたいだからね」
「何をなくしたんです?」
「自信と、それから気力だよ。篩(ふるい)に残るためのね。だから、全部おしまいにする」
「おしまいに……って。まさか」

「知っているかな? おれがこの学校で何が一番嫌いか?」
「さあ、体罰ですか。教官とか先輩の」
「違うよ。それは二番目」
「だったら規則でしょう。馬鹿みたいに細かいですから」
「あらら、遠くなっちゃった。それは三番目だって……一番目はね………お前だよ、宮坂」

平田はトイレ用の洗剤を取り出すと、洗面器の入浴剤にかけようとします。理系に強い宮坂は理解します。毒ガスが発生することを。

「成績がビリってのは、たしかに辛いよ。教官に殴られたら、そりゃ痛いよ」
だけどな、他人から憐れみを受けるってのも、相当しんどいぞ」

大声を出し助けを呼ぶ宮坂。

白髪教官・風間の布石

寮の外から現れた風間教官。「平田、風呂の時間だぞ。宮坂もだ」
「張り紙(有毒ガス発生中)が見えなかったんですか。ここに来てもらっては困ります。巻き添えを食いますよ」と、平田。

「構わん、平田。きみの度胸を試してやる。やれ」

平田は、顔を奇妙な形に歪ませながら、洗面器の中にトイレ用の洗剤を注ごうとします。
絶叫する宮坂………毒ガスは果たして発生するのか?

風間のとった布石
「すぐグランドに集合させろ。ランニングだ。25周」(その間に寮の捜索)
そして、もう一つ、重要な布石を打っておいたのです。

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『教場』工藤阿須加と林遣都

工藤阿須加

工藤阿須加
【生年月日】1991年8月1日
【出生地】埼玉県所沢市
【身長】180 cm
【血液型】B型
【事務所】パパドゥ
父親はプロ野球・福岡ソフトバンクホークス監督の工藤公康
妹はプロゴルファーの工藤遥加
テニスをしており、プロを目指す程の腕前だったが高校のときに肩を故障し断念する
2012年 日本テレビのドラマ『理想の息子』で俳優デビュー
2013年 NHK 大河ドラマ『八重の桜』に主人公・新島八重の弟・山本三郎役で出演
2013年 7月から9月まで、フジテレビのドラマ『ショムニ2013』に出演
2014年 TBS日曜劇場『ルーズヴェルト・ゲーム』で社会人野球部の投手・沖原和也役を演じる
2015年 日本テレビのドラマ『偽装の夫婦』ではゲイの恋人役
2018年 2月スタートの『ザ・ブラックカンパニー』でドラマ初主演
2018年、10月から日本テレビ系朝の情報番組『ZIP!』の水曜パーソナリティー

林 遣都

林 遣都
【生年月日】1990年12月6日
【生まれ】 滋賀県 大津市
【身長】 173 cm
【事務所】 スターダストプロモーション
【血液型】 O型
2005年 中学3年生の修学旅行中に、渋谷駅のホームでスカウトされ芸能界入り
2007年 映画『バッテリー』の主演で俳優デビュー。同作品での演技が評価され日本アカデミー賞、キネマ旬報ベスト・テンなどその年の多くの新人賞を受賞
2008年 『ちーちゃんは悠久の向こう』、『DIVE!!』、『ラブファイト』の主演に
2009年 地元・滋賀県内の高校を卒業し上京。『小公女セイラ』(TBS)で連続ドラマ初出演
2011年 『コヨーテ、海へ』(WOWOW)でテレビドラマ初主演。『荒川アンダー ザ ブリッジ』(MBS・TBS)で連続ドラマ初主演
2017年 映画『青禾男高(中国語版)』で中国映画に初出演