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『教場』工藤阿須加と林遣都

2020年1月に放映された、木村拓哉主演ドラマ『教場』の登場人物について、原作小説『教場』から解説します。

第1回は宮坂定(工藤阿須加)と平田和道(林遣都)です。

2021年テレビドラマ「教場2」では、宮坂は交通事故で死んでしまいますが、原作では死にません。(死んでしまうのは別の人物)

『教場』の宮坂と平田は劣等生?

『教場』第一話 職質

「なあ、次はどいつだと思う、98期は?」
「宮坂って奴だろ。ちょくちょくヘマをやらかすって話だ」
「平田っての知っているか?」
「ああ。たしか親父さんもサツ官なんだよな」

98期生の宮坂は、97期の学生たちの会話を聞いています。宮坂は、平田より2、3歳下です。

「ま、何にしても、その2人のうち、どっちかだろうな」
「じゃ、おれは本命の宮坂に3,000円」

この会話は、リタイアする生徒を当てるカケをしているのです。

なお、警察学校では、成績が悪いと依願退職を迫られます。警察学校生は1か月以上なら給料も支払われるので、退学ではなく退職になります。

『教場』宮坂の前に教官・風間の登場!

宮坂と平田は、一昨日行われた職務質問の授業で失敗してしまいました。宮坂の班は最も悪い成績をとったため、罰としてトイレ掃除を命じられました。

そんな中、宮坂は隣の部屋の学生から『硫黄乳白色・天然湯の花』という入浴剤をお土産にもらいました。しかし、入浴剤の使用は禁止されているため、宮坂はそれをトイレのゴミ箱に捨てることにしました。

そのトイレには、顔を洗っていた平田もいました。彼は誰かに殴られて泣いていたようです。平田は宮坂のトイレ掃除を手伝います。すると、学校からの呼び出しがかかりました。

〈植松学級の学生は、ただちに第三教場に集合のこと〉

教場では、植松教官が入院したことが伝えられ、新しい代理教官の紹介がありました。教壇に上がった代理教官は「風間公親(キミチカ)だ」という一言だけを述べて、すぐに教壇を降りてしまいました。

この時、宮坂は「キミチカ」から「気が短い」という印象を受け、少しのミスでも厳しく叱られそうな気がしてしまいました。

『教場』宮坂と平田の父親との関係

教場当番を務めることになった宮坂に、風間教官は質問します。
「警察学校とはどんなところだ」
「篩(ふるい)でしょうか」と答えます
「なるほど、もう一つ訊く。なぜ警察官を目指した?」
「雪のせいです」と宮坂は返事をします。

宮坂の体験はこうです。大雪の中、彼はハンドル操作を誤ってガードレールを突き破り、崖から転落してしまいました。その結果、足首を捻挫し、車は雪に埋まってしまいます。排気ガスが車内に入らないようにエンジンを切ったため、バッテリーが上がり、ヒーターも停止してしまいました。

さらに、その場所は携帯電話の圏外で、救助を呼ぶこともできません。寒さに震えながら、宮坂は自分の葬式を想像するほど絶望的な状況でした。

そんな中で彼を救ってくれたのが、平田の父である駐在所の巡査部長でした。

風間教官は言います。
「つまり、命の恩人に憧れたから、というのが質問の答えだな」
「おっしゃるとおりです」と宮坂は答えます。
「少し残念だよ」
「……なぜでしょうか」と宮坂が尋ねると、

「憧れているようでは、先が思いやられるからだ。むしろ、警察官に文句があるから警察官になった——そんな学生の方が、ここには向いている。わたしの経験から言わせてもらえればな」

『教場』宮坂の下手な芝居

風間教官は宮坂に対し、授業と同じようにこの場で自分に職務質問を行うよう命じました。それも、失敗すれば退職だという厳しい条件です。

さらに、教場では宮坂がわざと下手なふりをしていたことを暴露した風間教官は、宮坂に日々学んだことや気づいたことを報告するよう課題を与えます。

ある日の宮坂の報告内容は以下の通りです:

  1. 授業中に硫黄の匂いをさせている者が何人かいたこと
  2. 第一寮の一階トイレから便器用洗剤が1本なくなっていること

それを聞くと、風間教官はすぐに命じました。
「すぐグランドに集合させろ。ランニングだ。25周」

『教場』平田和道の絶望と決意が宮坂を襲う!

宮坂は自室に戻ると、ベッドに倒れ込み、他の学生が風呂に行く足音を聞いていました。

そこへ平田が現れます。
「ちょっと失礼。明日の1時限目は逮捕術だよね。実はおれ、ワッパの掛け方が、いまいち下手なんだよね」
そう言って、平田は宮坂に協力を求めます。

平田は宮坂を強引にベッドの上にうつぶせにし、手錠をかけます。そして、ベッドの枕元の鉄棒に固定してしまいます。

平田は一度部屋を出て、洗面器を持って戻ってくると、宮坂がトイレで捨てた入浴剤の粉をその中に入れ始めます。

「冗談は明日にしましょう」と、身動きできない宮坂は言います。

「明日? 明日なんてないね。今日でおしまいだよ。どうやらおれ、失くしちゃったみたいだからね」
「何をなくしたんです?」
「自信と、それから気力だよ。篩(ふるい)に残るためのね。だから、全部おしまいにする」
「おしまいに……って。まさか」

「知っているかな? おれがこの学校で何が一番嫌いか?」
「さあ、体罰ですか。教官とか先輩の」
「違うよ。それは二番目」
「だったら規則でしょう。馬鹿みたいに細かいですから」
「あらら、遠くなっちゃった。それは三番目だって……一番目はね………お前だよ、宮坂」

平田はトイレ用の洗剤を取り出し、洗面器の入浴剤にかけようとします。理系に強い宮坂は理解します。それが毒ガスを発生させることを。

「成績がビリってのは、たしかに辛いよ。教官に殴られたら、そりゃ痛いよ。だけどな、他人から憐れみを受けるってのも、相当しんどいぞ」

宮坂は大声を出して、助けを呼びます。

平田。きみの度胸を試してやる。やれ!

寮の外から現れた風間教官の声が響きます
「平田、風呂の時間だぞ。宮坂もだ」

平田は焦って答えます。
「張り紙(有毒ガス発生中)が見えなかったんですか。ここに来てもらっては困ります。巻き添えを食いますよ」

「構わん、平田。きみの度胸を試してやる。やれ」と風間教官は落ち着いて言います。

平田は、顔を奇妙に歪ませながら、洗面器の中にトイレ用の洗剤を注ごうとします。宮坂は絶叫します……果たして毒ガスは発生するのでしょうか?


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『教場』工藤阿須加と林遣都

工藤阿須加

工藤阿須加
【生年月日】1991年8月1日
【出生地】埼玉県所沢市
【身長】180 cm
【血液型】B型
【事務所】パパドゥ
父親はプロ野球・福岡ソフトバンクホークス監督の工藤公康
妹はプロゴルファーの工藤遥加
テニスをしており、プロを目指す程の腕前だったが高校のときに肩を故障し断念する
2012年 日本テレビのドラマ『理想の息子』で俳優デビュー
2013年 NHK 大河ドラマ『八重の桜』に主人公・新島八重の弟・山本三郎役で出演
2013年 7月から9月まで、フジテレビのドラマ『ショムニ2013』に出演
2014年 TBS日曜劇場『ルーズヴェルト・ゲーム』で社会人野球部の投手・沖原和也役を演じる
2015年 日本テレビのドラマ『偽装の夫婦』ではゲイの恋人役
2018年 2月スタートの『ザ・ブラックカンパニー』でドラマ初主演
2018年、10月から日本テレビ系朝の情報番組『ZIP!』の水曜パーソナリティー

林 遣都

林 遣都
【生年月日】1990年12月6日
【生まれ】 滋賀県 大津市
【身長】 173 cm
【事務所】 スターダストプロモーション
【血液型】 O型
2005年 中学3年生の修学旅行中に、渋谷駅のホームでスカウトされ芸能界入り
2007年 映画『バッテリー』の主演で俳優デビュー。同作品での演技が評価され日本アカデミー賞、キネマ旬報ベスト・テンなどその年の多くの新人賞を受賞
2008年 『ちーちゃんは悠久の向こう』、『DIVE!!』、『ラブファイト』の主演に
2009年 地元・滋賀県内の高校を卒業し上京。『小公女セイラ』(TBS)で連続ドラマ初出演
2011年 『コヨーテ、海へ』(WOWOW)でテレビドラマ初主演。『荒川アンダー ザ ブリッジ』(MBS・TBS)で連続ドラマ初主演
2017年 映画『青禾男高(中国語版)』で中国映画に初出演