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映画『Red-レッド』柄本佑・小鷹 淳を原作から読む

(2020年2月10日記)

塔子「あの人は、こっちの弱いところも本音も、平気で突いてくるから。それに、けっして執着したり追ったりしないって言ってました。あのやり方は最強だと思う」

「無神経を装いながら、心の隙間にいきなり入り込んでくる。この人は、私(塔子)が正しかろうと間違っていようと関心がないのだ」

他人に関心がない小鷹は、人の評価を気にしないから、とらえどころがありません。
また、二人の姉——神童と呼ばれていたほど頭がよいが変わり者のモテない姉と可愛いけど頭の悪い尻軽女の姉——の間で、女性のあらゆる面を学習しながらバランスを取っていたのです。小鷹には、女性の扱いが身についています。

原作『レッド』小鷹 淳(柄本佑)の初登場シーン

塔子が面接を終えて会議室を出て、エレべーターへ向かう通路を歩いていたとき、がっと二の腕を掴まれた。
「新しい契約社員の子?」

「いきなり見知らぬ男から顔を覗き込まれ、私は凍りついた。色素の薄い前髪が、視界の上で揺れている。彼は臆面もなく、軽さを前面に押し出した笑顔を見せた。

彼は、まだ若く見えた。正統派の美形ではないけれど、可愛げのある顔立ち。すらっと手足が長い。それを自覚しているように爽やかなブルーのシャツを着ている。それなのにどこか攻撃的な匂いがした。そのギャップと勢いに感電したように、二の腕がびりびりと癖れた」

原作『レッド』小鷹の社内の評判

「小鷹を辞めさせないと会社に火をつけるって。言葉は悪いけど、小鷹君にやり逃げされてストーカーになっていた女性が、彼と社内の女子社員が飲んでるところを見て逆恨みしたみたいだ。坊主憎けりゃ袈裟までとはよく言ったものだな」

「とくに意味もなく平地に乱を起こしたくなるタイプだろう」
「女癖が悪いわりに社内の女子に手を出さないのも狡猾だと思うよ」

「ああ。辞職組の負の遺産か。小鷹君もちゃらちゃらした男だけど、仕事になると、意外と理不尽なこともきっちりこなすよね」
「ちゃらちゃら、は……してますよねえ」
と若い男性社員が苦笑する。どうやら飲み会のネタにできるくらいに有名らしい。

原作『レッド』小鷹に翻弄される塔子

「正直、私はこの人のことがすこし怖かった。遠慮もないし距離が近すぎる。ここまで女に拒絶されないという確信に満ちた男の人に接するのは始めてだ」

「小鷹さん、いつも小椅麗な格好してますもんね」
と言うと、彼はすかさず、なんでか分かる?と質問してきた。
「分かんない。なんで?」
僕、腹黒いからですよ。外側だけでも清潔に見せないと、女の子寄ってこないでしょう」

小鷹さんは、おまえ素直だなー、と言って、いきなり私の頭を撫でた。適度に大ざっぱでひと匙だけ優しさのこもった撫で方は、思いの外いやらしい感じがなくて、近所のおにいさんのようだった。そのことにまたしても面食らい、不快だとはねつけることができない。

鞍田が塔子を心配して、金沢のホテルを訪ねて来たとき。
「あー、僕、地元のキャバクラ行って癒されてくるんで。それまでになんか二人で話つけておいてください」
こちらが引き留める間もなく、小鷹さんは気を遣ったというよりは逃げるように部屋から出て行った。

セックスを拒否して、小鷹の前で泣いてしまった塔子
「そのときの慰め方がちゃんとしてたから、この人は異性としてだけじゃなく、人として必要とされてきたんだ、と思ったんです。ひどかったり欠けてるところもあるけど、自己肯定できている人の強さだと思う」

原作『レッド』塔子の夫・真の小鷹の印象

「誰にでもって、よけいに問題だろう。なんであんな軽薄なやつが野放しなんだよ。あいつ、きっと会社内の女の子に手を出してるよ。間違いない。塔子もあいつとは絶対に二人きりになるなよ」
「ほかの女性社員も、小鷹さんはキャバクラ通いしてるから嫌だ、て言ってたし」
「あー、たしかに通ってそうだなあ。なにが楽しいんだろうな、あんなところ」

原作『レッド』柄本 祐・小鷹の本音

「僕は本質的に他人に執着できないんですよ。どんなときでもシニカルにしか物事を捉えられないし、茶化したり馬鹿にしたりしてしまう。それは意志っつうよりは、ほとんど呪いのようなもので」

「だってさー、キリストとかって旅しながら、いきなり病気の人間とか娼婦に愛を注いで奇跡起こしたんだろ。それって会ってすぐの、ほんの一瞬じゃん。それは究極の例でもさ、好きなタイプって一目見て気に入って盛り上がったら、なんとなくその記憶で続くもんだし。
セックスだって会話だって、長くいりゃあ、かならずいつか飽きるし。人生でほんの一瞬でも本気になれたら、十分じゃないの。まあ、僕、そんな経験もないですけど」

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柄本 祐〈プロフィール〉

柄本 祐
日本の俳優。東京都出身。
【生年月日】 1986年12月16日 (年齢 33歳)
【生まれ】 東京都
【身 長】 182 cm
【配偶者】安藤サクラ (2012年から)
【事務所】アルファエージェンシー

安藤サクラ
日本の女優。学習院女子大学国際文化交流学部卒業。
【生年月日】 1986年2月18日 (年齢 33歳)
【血液型】 A型
【配偶者】柄本佑 (2012年から)
【両 親】奥田瑛二、 安藤 和津
【事務所】ユマニテ

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※本記事は2024年1月19日現在の情報です。最新の情報は、公式サイトでご確認ください。