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東野圭吾『沈黙のパレード』東野圭吾『沈黙のパレード』(単行本表紙)

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福山雅治・映画『ガリレオ 沈黙のパレード』原作読んでみた〈ネタバレ〉

『沈黙のパレード』原作・あらすじ

23年前、優奈ちゃん(12)事件の容疑者・蓮沼寛一「黙秘」で逃げ切る

静岡県のゴミ屋敷が、出火不明の火事になり、焼け跡から2体の白骨遺体が見つかります。1体はその家で一人暮らしをしていた老女・蓮沼芳恵、6年ほど前に死んだこともわかりました。

芳恵の義理の息子が、蓮沼寛一です。23年前に草薙も担当した優奈ちゃん(12)事件の容疑者です。失踪4年後、奥多摩の山中から焼かれた後の彼女の骨が発見されたのです。捜査の結果、以下の事実が判明しました。

  • 蓮沼は、元勤めていた産業廃棄物の請負会社に焼却炉を借りた
  • 蓮沼の借りたレンタカーの距離が、蓮沼が当時住んでいた場所から奥多摩までの往復距離であった
  • 蓮沼の所持していた冷蔵庫(母芳恵のところにあった!)から結婚と肉片が見つかり、DNA鑑定の結果、優奈ちゃんと判明。
    この冷蔵庫を蓮沼と一緒に静岡県まで運んだという元同僚の証言もあった

これだけの証拠がありながら「殺していない」可能性があると、証拠不十分で無罪判決に。普通なら誰もが「自白」するのですが、蓮沼は完黙したのです。自白に頼っていた警察の敗北でした。「あんな逃げ道があったとはな」と、草薙は薫に当時をふりかえって語ります。

3年前に失踪した菊野市の食事処「なみきや」の娘・並木佐織

もう1体は行方不明者リストとDNA鑑定から、3年前に失踪した菊野市の食事処「なみきや」の娘・並木佐織と判明しました。頭蓋骨の陥没がありましたが、殺人事件かどうかは不明。事件の担当を任されたのが草薙班(薫もいる)です。

3年前、菊野市にいた蓮沼は「なみきや」に出入りしていて、佐織にお酌をさせたり、隣りに座るよう無理強いする態度をとっていました。その態度の悪さから、佐織の父・祐太郎は彼を出入り禁止にしました。その直後に、佐織が失踪。また、蓮沼も行方をくらましていました。

今の蓮沼は、江戸川区に住んでいます。捜査の結果、次のことが判明しました。

  • 佐織が失踪した日のコンビニの防犯カメラに、彼女のすぐ後を白いライトバンが通りました。蓮沼が当時勤めていた会社の白いライトバンと同じタイプで、会社では彼しか乗っていなかったのです。
  • 佐織が失踪した直後、姿を消していた蓮沼は、元会社の同僚(増村栄治)に警察がきたかどうか頻繁にたずねていました。
  • 家宅捜索の結果、当時勤めていた会社の制服から血痕が見つかり、DNA鑑定で佐織と断定されます。(最後の方で、ガリレオこと湯川はこのことに疑問を持ちました)

これだけの証拠をつかんだ警察は、蓮沼を逮捕。しかし、検察は蓮沼を起訴に持ちこめず、処分保留にして釈放したのです。

佐織殺しの犯人か? 蓮沼寛一、殺害される!

そんな蓮沼が、「なみきや」にやってきたことから事件が起こります。

秋のキクノ・ストーリー・パレード当日、蓮沼が殺されます。睡眠薬を飲まされ、争った後もなく、布団の上で眠るように仰向けに倒れていました。殺害方法は?

「なみきや」の主人・祐太郎ら仇討ち組(草薙が命名)が疑われますが、彼らには鉄壁ともいえるアリバイがありました。壁にぶつかった草薙と薫たち。ガリレオこと湯川の出番です。

※ここに書いたことはあくまで原作『沈黙のパレード』です。映画では、どのように変更されているかわかりません。

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はじめは、東野圭吾の『容疑者Xの献身』のような嫌〜な気分でした

(単行本)150ページまで読んできて、なんか嫌〜な気分がしてきました。それは、あの『容疑者Xの献身』の後味のような……。つまり、人間味のある殺人者の犯罪をガリレオこと湯川は、今回も暴いてしまうのか! といった気分です。

ガレリオこと湯川教授が、草薙係長に語っています。

「殺したと思うかではなく、元々の君の質問—あの三人が蓮沼の死に関わっていると思うか、という質問に対しては、わからないとだけ答えておこう。年に一度のパレードの最中、殺人容疑で処分保留中の人物が謎の死を遂げた。そして被害者の遺族たちには絵に描いたような鉄壁のアリバイがある。これを単なる偶然と片付けられるほど、僕は能天気な人間ではないからね」
「並木一家のアリバイには裏があると?」

誰もが並木佐織を殺した犯人と思っている蓮沼寛一が処分保留になってしまいました。とうぜん、納得できない佐織の父親・並木祐太郎とその仲間が、何かを計画していることが想像されます。

さて23年前、草薙も担当した本橋誠二の娘・優奈(12)の事件。被疑者の蓮沼寛一が当時使っていた冷蔵庫から彼女のDNAが見つかりました。しかし、それにもかかわらず、黙秘を続けた蓮沼は不起訴に。その上、蓮沼は1000万円以上の刑事補償金と裁判費用を要求するほどの悪です。

その後、蓮沼は菊野市から行方をくらまし、3年後に戻ってきました。なぜか?

盛大になった秋のキクノ・ストーリー・パレード当日、蓮沼は殺されます。とうぜん、犯人は蓮沼を恨んでいる祐太郎とその仲間が、警察から疑われます。しかし、彼らには個別には犯行時間のアリバイは鉄壁に近く成立していました。

その鉄壁のアリバイを、ガリレオこと湯川はまた暴いてしまうのか?

処分保留とは
期間内に十分な証拠が揃わなかった場合、起訴・不起訴の判断を保留して釈放させること。つまり、白か黒かはっきりしない場合、時間切れで一旦身柄を釈放すること。

蓮沼殺しの有力容疑者
並木祐太郎・真智子
戸島修作(祐太郎の同級生)
新倉直己・留美(佐織の音楽先生)
高垣智也(佐織の恋人)
宮沢麻耶(大書店の後継娘)?
???

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『沈黙のパレード』は、真犯人が二転三転するストーリー 〈ネタバレ〉

草薙が犯人と思っている祐太郎とその仲間たちの各人は、それぞれどこまで蓮沼殺害に関わっているのか? 新たな共犯者について、湯川は薫にこう指摘します。(p271)

1つ目、蓮沼に睡眠薬を飲ませなければならない。
2つ目、蓮沼が眠る場所は、あの小部屋の中でなければならない。
3つ目、あの小部屋に外から鍵をかけられることを犯人は知っていなければならない。以上だ」

「この3つの条件を満たせるのは増村だけだ。増村なら、蓮沼を油断させ、飲み物に睡眠薬を混入することは難しくない。ふだんから一緒に生活しているのだから、どこで寝るかを知っていて当然だ。そして最も大事なことが三つ目の条件だ。引き戸に鍵をかけられることなど、そこに住んでいる人間でなければ知り得ない」

ここで湯川は、新たな共犯者と想定した増村栄治に、薫の注意を向けます。増村は、住宅地から離れた会社の倉庫に隣接した6畳ほどの事務所に住んでいました。事務所の隣に、かつて物置であった3畳ほどの小部屋があります。蓮沼は3年ぶりに菊野町に戻ってきたとき、かつての同僚・増村に居候を頼んだのです。そして、この狭い小部屋で殺されました。

液体窒素による窒息死です。液体窒素を床に垂らすと膨張して、空気を押し出してしまうのです。蓮沼は、酸欠で死んだのでした。

「液体窒素だ。沸点はマイナス196度。床にこぼしても、熱したフライパンに水滴を垂らすようなもので、一瞬にして気化する。ではこの液体窒素をあのユダの窓を通して、閉ざされた小部屋に大量に流し込んだらどうなるか?」

ユダの窓
アメリカの本格推理作家ディクスン・カーの代表作。婚約者の父を訪れたアンズウェルは対談中に気を失い、気がついたときには矢で射られた父と密室の中にいた。当然、彼以外に犯人はいないという状況。捜査に乗り出したメリベル卿は、この部屋には皆の盲点になっているユダの窓があり、謎を解く鍵はそこにあるという。密室トリックに正面から挑んだ本格推理です。

増村栄治とは、いったい何者なのか?

湯川は、「自分の仮説を成立させるためには必要な人物だからね」と薫に説明します。この増村栄治ですが、はじめはその他大勢の1人でノーマークでした。
(増村家=優奈/並木家=佐織)

「草薙によれば、増村と並木家に接点はないということだった。だから増村が蓮沼に殺意を抱く理由があるとすれば、その動機が生じたのは佐織さんが亡くなるより前だ。では同じ職場で働いていた頃の話か。しかし二人の間にトラブルがあったのなら、蓮沼が転がり込むようなことはないだろう。

増村は蓮沼を殺す動機を抱えていて、居所を捜していたのではないか。ようやく見つけたので、同じ職場に潜り込み、蓮沼に近づき、復讐の機会を窺っていた。(中略)数年後、思わぬ形でチャンスが訪れた。もしそうであれば、積年の恨みとは何か。それで優奈ちゃん事件に関わっているだろう、と」

増村にはアリバイがありましたので、湯川は「共犯であって、直接手は下していない」と断言します。こうして、並木祐太郎、戸島修作、、新倉直己、高垣智也、増村栄治の共同殺人と思われました。各人がそれぞれの役割を、自供しはじめたのです。

『沈黙のパレード』大どんでん返しする佐織の死の真相〈ネタバレ〉

事件が解決したかに思われました。薫が湯川にその報告をしに湯川の研究室を訪ねます。説明を聞く湯川、しかしまだ納得できないことがあったのです。そこで、薫に3つのことを調べてくれと頼みます、草薙には内緒にです。

薫からの回答を得た湯川はある人物を訪ね、3つの疑問を話します。

第1番目の疑問問
「何年間も放置されてきたゴミ屋敷が、なぜ突然火災に見舞われたのか。知り合いの警察関係者に調べてもらいましたが、原因は未だに不明のようです。最も疑いが濃いのは放火らしいですが、犯人に繋がる手がかりは見つかっていません」
(後で湯川は、放火したのは蓮沼ではないかと話します)

第2番目の疑問
「3年前、蓮沼は『なみきや』に出入りしていたのです。しかも佐織さんに対してよからぬ感情を持っていたようだ、という証言もある。問題は物証があるかどうか。
(中略)蓮沼の部屋から、前の職場で使っていた制服が出てきたのです。その制服には、ごくわずかですが血痕が付着していました。分析の結果、佐織さんのものだと判明しました。これを決定的な証拠として、捜査陣は蓮沼の逮捕に踏み切ったのです」

「この話を初めて聞いた時から、僕はずっと気に掛かっていたことがあります。蓮沼寛一は、なぜそんな服を後生大事に所持していたのでしょうか。前の職場を辞めて部屋を引き払う時、処分するのがふつうだと思いませんか。忘れていた、捨てそびれていた、といわれればそれまでですが、どうしても勝に落ちないのです」

第3番目の疑問
「これが最も重要です。逮捕された蓮沼寛一は、全く揺らがなかった。19年前と同様に沈黙を保ち続けた。前回の経験があるから、黙秘を続けさえすれば罪に間われることはないと自信を持っていたのでしょうか。しかし警察や検察にも意地があります。何らかの強力な証拠を見つけだしてこないとはかぎらない。それでも最後の最後まで余裕を持ち続けられたのはなぜか。蓮沼は釈放後、ある人物に、自白は証拠の王様で、王様がいないかぎり平気だと豪語したそうです。つまり彼には、絶対に自分が有罪になるような証拠など出てこないという確信があった。それはなぜか?

(結果、蓮沼は「処分保留」となりました)

湯川が訪ねたこの人物が佐織を殺した真犯人だったのでしょうか?

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湯川がずっと胸に秘めていたこと&最後のどんでん返し

終盤の422ページに、こんな記述がありました。ガリレオこと湯川は、『容疑者Xの献身』の犯人をずっと胸に秘めていたのだと。

僕には苦い経験があるんです。以前にも似たようなことがありました。愛する女性のために、すべての罪を背負おうとした男がいたんです。でも僕が真相を暴いたため、その女性は良心の阿責に耐えきれなくなり、結果的に彼の献身は水泡に帰してしまいました。同じようなことはもう繰り返したくない、という気持ちがあります。

「それなら一体何のために来たのだといわれそうですね。自首を勧める気がないのなら、わざわざ真相を確かめる必要もない。すべてを胸の内にしまっておけばいい話です。でも、あなた自身も知らない、極めて重大なことに僕だけが気づいているのだとしたら、どうしても話しておかざるを得ないと思ったんです。

『沈黙のパレード』(単行本)は、440ページあります。後20ページもない422ページのガリレオこと湯川の言葉です。この箇所を読んだ時、最初のほうで書いた『容疑者Xの献身』のような嫌〜な気分…にはならないとホッとしました。そして、最後の大どんでん返しの真相が語られます。

【ガリレオ再始動】『沈黙のパレード』9/16公開

あの「ガリレオ」がスクリーンに帰ってくる!!
福山雅治演じる、天才的な頭脳をもつ物理学者・湯川学が、不可解な未解決事件を科学的検証と推理で見事に解決していく大人気痛快ミステリーシリーズ。
今作では、柴咲コウ演じる内海薫と、北村一輝演じる草薙俊平が9年ぶりに再集結!「ガリレオ」の醍醐味ともいえる、3人の絶妙なやりとりがスクリーンに!

公開日: 2022年9月16日(金)
原作:東野圭吾『沈黙のパレード』(文春文庫刊)
出演:福山雅治 柴咲コウ 北村一輝
脚本:福田靖
音楽:菅野祐悟 福山雅治
監督:西谷弘
製作:フジテレビ/アミューズ/文藝春秋/FNS 27社
配給:東宝
コピーライト: 2022『沈黙のパレード』製作委員会

東野圭吾(原作)コメント

「沈黙のパレード」の映画化が決まり、とても喜んでおります。福山さんの湯川はもちろんのこと、北村さんの草薙、そして柴咲さんの内海薫に再会できると思うと、それだけでワクワクします。コロナ禍で大変だと思いますが、無事に撮影を終えられることを心から祈っております。

福山雅治(湯川学)コメント

福山個人としては、草薙と薫に会えるのをずっと心待ちにしていました。
しかし湯川としては…またやっかいな2人と再会したな…、と思っているかと(笑)。
小さな街で起こった悲し過ぎる事件。関わった人たちすべてが被害者であり、加害者でもある。
「沈黙のパレード」という東野先生が世に送り出した極上のミステリーの実写化。
この高いハードルかつ挑みがいのある難問に、我々はどういう最適解を導き出すのか。
僕も湯川と共に今作の映画化における極上のエンターテイメントを探究したいと思います。

柴咲コウ(内海薫)コメント

湯川先生、草薙さん、薫。時は流れ、それぞれの道を歩んでいたであろう登場人物たち。しかしきっと、昔と変わらないそこはかとない安心感と絆を味わえるのだろうと。
彼らとまた再会できること、チーム・ガリレオでまた撮影ができることを楽しみにしています。

北村一輝(草薙俊平)コメント

早いもので、「シーズン1」から14年も経つのですね。
今までの集大成となるような今作には懐かしいレギュラー陣に加え、豪華キャストが揃います。
湯川と草薙の友情があってこその今回の物語、全力で取り組みたいと思います。

西谷弘監督 コメント

実に8年ぶりの再会だな。3人とも元気にしているか?
湯川よ、NY帰りと聞いたが奇人変人ぶりは健在か?
草薙よ、加熱式タバコに変えたようだが息切れしているのではないだろうな。
内海よ、捜査一課復帰おめでとう。強気の眼光に衰えはないか?
久しぶりの再会を懐かしんでる暇はないぞ。戦いの火蓋は切られた。

『沈黙のパレード』終わりに

『容疑者Xの献身』のような嫌〜な気分から始まった『沈黙のパレード』。心ある「なみきや」の主人・祐太郎とその仲間と増村栄治の集団による蓮沼の殺人事件かと思われました。また、佐織を殺した犯人は二転三転して、最後には最初の犯人に戻る⁉︎ な〜んて誰が予測できるでしょうか!

「ガリレオ」シリーズは、物理学者・湯川学ガリレオ=福山雅治、内海薫=柴咲コウ、草薙俊平=北村一輝とイメージがすでにできているため、それぞれのシーンが視覚的に想像できるため、とても読みやすかった。

ところで、昨今のテレビドラマの原作がただのモチーフだけになっているドラマは、原作を読んでいるとちょっと???というのもけっこうあります。その点、ガリレオシリーズは映画もTVドラマも原作に近いので、安心して鑑賞できます。

【ガリレオ再始動】『沈黙のパレード』は9月16日公開です。特報①の動画を見ると、福山ガリレオが高笑いしているのがちょっと?です。なぜなら、今回のガリレオ湯川は、原作ではそんなに高笑いしているシーンがないからです。また、歳もとっています。

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原作『禁断の魔術』読んでみた〈ガリレオ湯川、殺人を決意する〉