『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』ストーリーの自由奔放さ！

2022-09-08 2024-03-08

Disney+『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』

Contents

1 『パーシー・ジャクソンととオリンポスの神々』ストーリーの自由奔放さ！
- 1.1 ギリシャ・ローマ神話では死んだ怪物や魔女が出てくる
2 『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』あらすじ
3 おわりに

『パーシー・ジャクソンととオリンポスの神々』ストーリーの自由奔放さ！

ギリシャ・ローマ神話では死んだ怪物や魔女が出てくる

パーシー・ジャクソンはペルセウス？

映画『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』
なんといってもストーリーの最大の自由奔放さは、パーシー・ジャクソンがペルセウスで、セウスの子ではなくポセイドンの子であると示唆していることです。それは、次のようなシーンでした。

美術の時間に、ブルナー先生はパーシーに問います。
「人と神の間に生まれた子供の名称は何かね？」
「デミゴッド（半神）」と答えるパーシー。
「そのとおり。その多くは英雄となったヘラクレスやアキレウスなど。他にはどうだ？」
左右に首を振るパーシー。
「ヒントをやろう、君の名前に似ている」

レリーフのギリシャ語のタイトルを見たパーシーには、アナグラムで次のように見えます。（パーシーには、そんな才能があります）
「 PERSEUS DEFEATS CEYUS— ペルセウス、海の怪物を退治」に変化します。

「パーシー… 」「ペルセウス？」とパーシー。
「そうだ」と、ブルナー先生。

ケンタウロスの賢者ケイロン

じつは、ブルナー先生はケンタウロスの賢者ケイロンでした。また、先生は〈半神戦士訓練所〉の先生でもあります。ギリシャ神話では、ケイロンは死んでいます。

ヘラクレスの難業４「エリュマントス山の大猪を捕まえる」時、ヘラクレスはケンタウロス族のポロスに歓待されました。彼は無理に「ケンタウロス族の銘酒」を出させ酔っ払ってしまいます。銘酒の匂いに集まってきた他のケンタウロス族。ヘラクレスとの戦いになりました。ヒュドラーの毒の矢を放ったヘラクレス。それが誤ってケイロンに当たってしまったのです。ケイロンはその苦しみから不死の身体を放棄することをゼウスに願い、死んでしまいます。その不死は、プロメテウスに引き継がれました。

〈賢者ケイロンとアキレウス〉

メドゥーサが生きていた

ペルセウスがメドゥーサの首を切って殺したことは、ギリシャ神話の中でも多くの人々に知られています。死んだメドゥーサが登場したのにはびっくりしました。また、彼女の髪はリアルな蛇で、不気味によく動いていました。

〈メドゥーサ〉

処女神のはずだったアテナに娘がいた！

ギリシャ神話で処女神といえば、へ力テー、アルテミス、そしてアテナです。ところで、アテナにはヘパイストスとの間に子を作ったという間違った説があります。それは、妻アフロディテにつれなくされていたヘパイストスが、仕事を頼みにきたアテナに欲情した時のことです。

逃げる女神アテナを追うヘパイストス。男神は精液を漏らし、女神の足に垂らしました。女神は布で精液を拭き取ると大地に捨てました。ここから、子供が生まれたのです。後にアテナイの王となったエリクトニオスです。上半身が人間で、下半身は蛇です。女神は自分の子供ではないですが、エリクトニオスを育てました。

女神アテナの娘アナベルを演じたのはアレクサンドラ・ダダリオで、その眼はまるで女神のように印象的でした。

アテナ役アレクサンドラ・ダダリオ

なんとグライアイ三姉妹がタクシーの運転手？

グライアイとは、ゴルゴンの姉妹で3人の老女です。3人でたった一つの目を共有しています。いつもうずくまっているイメージですが、なんとパーシー達を乗せてタクシーをぶっ飛ばします。映画『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々：魔の海』では、最初の映画よりも多く出ています。そのぶっ飛ばした走りは暴走族のようでした。

〈ペルセウスとグライアイ〉

ミノタウロス、ヒュドラ、ロトスの花も

ギリシャ神話では有名なラビリンでセウスに殺されたミノタウロス、ヘラクレスに土の中に閉じ込められたヒュドラも出てきます。ラスベガスでは、ゲームに興じる人々に出されているのがロトスの花（お菓子？）です。

ロートパゴス族の国にあるロトスの木は『オデュッセイア』に出てきます。その実を食べると思考力がなくなり、故郷のことを忘れてしまいます。オデュッセウスは、強制的に部下を連れ出さなければならなかったのです。

『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』あらすじ

映画『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』は、人間と神ポセイドーンの子で半神（デミゴッド）のパーシーが主人公です。彼が半神であることを自覚し、成長していく物語です。

ゼウスの稲妻、盗まれる！

映画冒頭で、ゼウスはポセイドンに『稲妻』が盗まれたことを告げます。その犯人にされたのが、ポセイドンの子パーシー・ジャクソンです。そして、14日後の夏至の夜12時までに返さないと、世界が—オリンポス12神が戦い合うことになると告げます。

ポセイドンは道路の反対側に現れると、テレパシーでパーシーに「心の準備をしろ。すべてが変わるぞ、パーシー。これから何もかも変わる」と告げると消えます。

その頃に、パーシーの母はパーシーが半神であることを教え、半神の戦士訓練所へつれていきます。その途中で、ミノタウロスに襲われ、母は死んでしまいます（死んではいなかった）。パーシーが犯人だと思っている冥界の王ハデスが『稲妻』と交換にするために、ミノタウロスにパージーの母をさらわせたのでした。

冥界に下る決心をしたパーシー

冥界の王ハデスは半神の訓練所に現れると、パーシーに稲妻と母を交換するよう言います。パーシーは、冥界に行って母を取り戻すことを決意。彼についていく仲間はパーシーの守護者サチュロスのグローバー、女神アテナの娘アナベルです。

しかし、冥界にはどう行けばいいのでしょうか？

そこで、パーシー達３人はヘルメス神の息子ルークなら冥界に行くことを知っているのではないかと相談に行きます。ヘルメス神は、冥界に行けるからです。ルークは盾と空を飛べるスニーカー（神話ならサンダル）を貸し、
「冥界に入るのは簡単だが、出てくるのが大変だ」
と助言し、帰るにはペルセポネの真珠が必要になると教えます。真珠には、思うだけで現世の場に帰れる力があります。しかし、1人1個。3人で行けば３個必要になります。ルークは真珠の地図をパーシーに与えます。

パージー達３人の『真珠』を探す３つの難行の旅

３つの真珠は、次の場所にありました。

エムおばさんの石像の店
なんとここには、メドゥーサが生きていました。
ナッシュビルのパルテノン
ここには、1つの首を切り落とすと２つの首が生えてくるヒュドラが現れます。
ラスベガス
ラスベガスでは、ロトスの花（お菓子？）が出されています。これを食べると思考力がなくなり、いつまでもその場にいるようになります。ほんの数分間と思っても、数日間が経ってしまうのです。

なんとか、この３つの難行をクリアしたパーシー達。

パージー達３人は冥界に

3つの真珠を集めたパーシー達３人はハリウッドに向かい「堕落した魂に災いあれ」と書かれた冥界の入り口に入ります。そこには船頭カロンがいます。彼に運賃を渡し船に乗り、いよいよ冥界のハデスに会います。

しかし、パーシーは稲妻を盗んでいないので、母との交換はかないません。怒ったハデス。戦いの時パーシーが落としたルークから借りた盾の中に、なんと稲妻は隠されていました。

稲妻を手にしたハデスは、パーシーと母親、アナベルとグローバーを殺そうとしますが、彼らを救ったのがハデスの妃ペルセポネでした。ハデスにさらわれてきた王妃は、ハデスが嫌いだったのです。稲妻を取り戻して、パーシー達４人は現世に戻ろうとしましすが、真珠は３つしかありません。また、ゼウスが決めた期限はもうあまりありません。