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パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々:魔の海Disney+パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々:魔の海

『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々:魔の海』はじめに

はじめに、2つの有名なギリシャ神話を要約しておきます。それは「金羊毛」と「アルゴー船の遠征」です。
パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々:魔の海』では、パーシー・ジャクソン達は「金羊毛」を得るために旅に出ます。それは、まるで「アルゴー船の遠征」のようです。

「金羊毛」とは何か?

テッサリアにアタマース王と王妃ネペレーの国があり、二人には王子プリクソスと王女ヘレーという子供がいました。しかし、アタマース王はネペレーを離縁し、新妻イーノーをめとりました。彼女は、前妻の子をなきものにしようと計略を考えました。

保存してあった穀物の種を焼いて、その年を飢饉にしたです。アタマース王は飢饉の原因を突き止めるため、デルポイの神託をえるために伝令を送りました。新妻イーノーは伝令を買収し、「二人の子供をゼウスの生け贄に捧げよ」と嘘の神託を王に告げさせたのです。

プリクソスとヘレーが犠牲にされそうになった時、ヘルメスが黄金の牡羊をつかわし、天高く運びあげさせました。牡羊は北東へと飛んで行きます。途中、王女ヘレーは誤って海に落ちました。そこは彼女の名前に因んで、ヘレスポント海峡(現、ダーダネルス海峡)と名付けられました。

プリクソスは黒海の沿岸コルキスに到着。そこの王アイエテスに庇護され、お礼に金羊毛を捧げました。王の娘には魔女メデイアがいます。

※「金羊毛」には、映画のような治癒能力はありません。

「アルゴー船の遠征」とは?

アルゴー船の遠征

正当な王子イアソンは母の処で成人し、父王の国イオルコスにやってきました。その時王権についていたのが、叔父ペリアスです。彼はイアソンを亡き者にしようと、はるか遠く黒海コルキスにある金羊毛をとりにイアソンをいかせます。それが、アルゴー船の遠征です。(プリクソスはイアソンの先祖)

ヘラクレス、テセウス、オルフェウスなどの英雄達が集まり、彼らのことはアルゴナウタイ(アルゴー号の乗組員)と呼ばれます。

数々の試練をクリアーしてコルキスにやってきたイアソンとアルゴー船。イアソンに金羊毛を返したくないコルキスの王アイエテスは無理難題を突きつけます。その一つが神ヘパイストスが作った火を吐く暴れ牛に農耕用のスキをつけさせることです。(これが映画に出てくるコルキスの金属牛)

このほかの難題も、イアソンに一目惚れした王の娘で魔女のメデイアに助けられます。そして、金羊毛を取り返したイアソンは、メデイアを連れて故郷に凱旋できたのです。

ギリシャ神話の怪物達

コルキスの金属牛

「アルゴー船の遠征」に出てくるコルキスの牛で、神ヘパイストスが作った火を吐く暴れ牛

カリュブディス〜『オデュッセイア』第12歌から

『オデュッセイア』第12歌には、ギリシャ神話に出てくる海の3大怪物が出てきます。それが、セイレーン、スキュラ、カリュブディスです。

  • セイレーン(映画には出ない)
    歌で人間を誘惑して自分達のところに泳いで来させ、とらえて食べてしまいます。
  • スキュラ(映画には出ないが、会話に)
    腰に6つの犬の頭がぶら下がり、そばを通る船から一度に6人もの人間を食ってしまう怪物。もとは優しい乙女でしたが、魔女キルケの嫉妬により怪物にされてしまいました。
  • カリュブディス
    1日に3回すごい勢いで海水を飲みこみ、吐き出します。

スキュラとカリュブディス

スキュラとカリュブディス

一つ目巨人ポリュペモス〜『オデュッセイア』第9歌から

キュプロプスでポセイドンの子。この怪物はオデュッセウスの部下を串刺しにしたり、煮たりして食ってしまいます。オデュッセウスは神酒で彼を酔わせ、材木の先端を細くし火であぶり、それを一つ目に差し込みます。

しかし、そのためにポセイドンの怒りを買い、10年かかったトロイア戦争後また10年間の漂流をよぎなくされます。20年後故郷のイタケに帰れたのは、オデュッセウスただ一人で部下は全員死にました。

ポセイドンの海馬

ポセイドンの乗り物です。

ポセイドンの海馬

クロノス

クロノスはタイタン族で、ゼウスの前に世界を支配していました。クロノスの子供がゼウス、ポセイドン、ハデスなどです。クロノスは父の天空神ウラノスに「自分の子に覇権を奪われる」と予言されていたので、子供が生まれると次々に飲み込んでいました。

ゼウスだけは、出生が隠されて成長しました。やがて、ゼウスはクロノスから兄弟姉妹を吐き出させます。そして、オリンポスの神々vsタイタン族の戦い、いわゆる「ティタノマキア」が起こり、ゼウス達が勝利したのです。タイタン族は、タルタロス(奈落)に封じ込められました。

クロノス

『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々:魔の海』あらすじ

7年前、訓練所に逃げてきた4人のデミゴッド(半神、ハーフ)

そのうちの一人ゼウスの娘タレイアは死んで木になり、訓練所のバリアになりました。

前作『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』では大活躍したパーシーですが、今では精彩を欠いていました。武力で活躍しているのは、武神アレスの娘クラリサです。そこに、ポセイドンの子だという一つ目のタイソンがやってきました。パージーは、兄弟ができたことに戸惑います。

そんな時、金ピカの金属機械獣「コルキスの牛」がバリアを破り、訓練所に進入してきました。クラリサはじめなかなか金属牛に対抗できません。

しかし、なんとか火に強いタイソンの活躍もあり、パーシーは牛の体内に武器を投げ入れ、牛は爆発してコナゴナになりました。

パーシーへの予言

前作で死んだと思われていたルークが現れ、パーシーにはある予言があると伝えます。また、バリアが破れて、タレイアの木はルークの毒でどんどん弱っていきました。

パーシーは訓練所のお偉方ミスターDに予言のことを尋ねると、屋根裏部屋に行くよう告げます。そこにはデルポイの巫女がいて、パーシーに告げます。

ゼウスの前の覇者クロノスがいつか蘇り、ゼウス達オリンポスの神々に復讐するだろう。また神と人間の子である半神だけが、それを阻止できる。そして、その半神は世界を救うか、滅ぼすかだろう。

「その半神はパーシーしかいない」
と、ブルナー先生ことケンタウロスの賢者ケイロンは言います。

金羊毛を取りにいく「慈悲の使節」

その頃、女神アテナの娘アナベスは、金羊毛ならタレイアの木を救えるかもしれないと古書から発見。それをミスターDに伝え、旅の許可をしてほしいと訴えます。しかし、ミスターDは金羊毛は魔の三角海域にあり、危険だと拒否します。

しかし、その直後ミスターDはあたかも自分が苦労して調べたように、みんなにアナベルの調査を発表します。また、金羊毛をとりに生かせるチーム「慈悲の使節」を送ることも。使節の中には、金羊毛にひかれるサチュロスも案内役に入れます。

アナベルとパーシーとグローバーは自分たちが選ばれると思っていましたが、案内役のサチュロスにはイクヌーテ、戦士にはクラリサが選ばれます。パーシーはクラリサに「ルークが関係している」と注意しますが、彼女は聞き入れません。

パーシー達3人はこっそり旅に出ることにします。タイソンは金羊毛を守っているのがポリュペモスで、自分なら同じキュプロプスなので話がしやすいと参加します。

パーシー達とルーク達は魔のバミューダ・トライアングルへ

旅の途中、グローバーはルークの一団に拉致されました。彼らには、サチュロスがいなかったからです。

魔の三角海域では、怪物カリュブディスが立ちはだかります。パーシー達は怪物に飲み込まれると、胃の中にはクラリサ達もいました。

パーシーとクラリサは協力して、怪物の中から脱出し、キュプロプスのポリュペモスが金羊毛を守っている島へ。この島には、今は廃園になっている魔女キルケが作った遊園地がありました。遊園地がポリュペモスの住処でした。

なんとかポリュペモスを閉じ込め、金羊毛を手に入れたパーシー達。しかし、そこにルークの一団が現れたのです。また、ルークはクロノスの棺を持ってきていました。彼はクロノスを金羊毛で復活させようとしていたのです。オリンポスの神々を全滅させるために。

そして、ついにクロノスは金羊毛により蘇ってしまいます。ルークは自分の手柄だとクロノスに話しかけましたが、クロノスは彼をつかみ飲み込んでしまいます。

はたして、パーシーはクロノスを倒すことができるでしょうか?
また、弱ってしまったタレイアの木は復活するのか?
そして、世界を救うか、滅ぼす半神はパーシーなのか?

最後に、映画の第3作を予感させるような最大の謎が出てきます!
ぜひ『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々:魔の海』をご覧になってお確かめください。

バミュータ・トライアングル

おわりに

パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々:魔の海』に出てくるギリシャ神話について少し解説しました。少しでも映画を楽しむ手助けになれば幸いです。

今回の映画全体のストーリーは、まるで「金羊毛」を目的に出航した「アルゴー船の遠征」そのものをモチーフにしたような内容です。

  • 「金羊毛」とは何か?
  • 「アルゴー船の遠征」とは?
  • コルキスの金属牛
  • カリュブディス
  • 一つ目巨人ポリュペモス
  • ポセイドンの海馬

ところで『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々:魔の海』は、英語のタイトルでは「Percy Jackson: Sea of Monsters」となっています。ですから、バミュータ・トライアングル(魔の三角海域)を指しているのではありません。「魔の海」ではなく「海の怪物達」なのです。

ですから「Sea of Monsters」はカリュブディスなのか? それとも金羊毛を守っている一つ目巨人キュプロプスのポリュペモスなのか? はたまたポリュペモスの島で復活したクロノスのことなのか?

「Sea of Monsters」と複数形になっていますから、すべての怪物を意味しているのかもしれません。