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ロザライン&ジュリエットロザライン&ジュリエット

映画『ロザライン』プロローグ

あのシェイクスピアの名作には、知られざる女たちの熱きバトルがあった!
ロミオの"元カノ"にしてジュリエットの"いとこ"が主人公のロマンティック・コメディ。

可愛い!・お茶目!・笑える!・ロミオ影が薄い!・ダリオ一推し!

映画『ロザライン』の冒頭3分間のプロローグで、この映画の面白さがすべて分かります。3分間見ただけで「面白い!」となりますので、その3分間を詳しく書きます。


夜のしじまに花束を持ってやってきたロミオ。乙女がいるバルコニーに登り、彼女をハグしキスします。そして、詩を彼女に捧げます。

清涼な泉のごとく爽やかな君
その瞳は大空に輝く星のごとし
(まあ、ロミオ)
認めよう
真の美しさを知らずにいた、今宵まで
(ロミオ)
何だい?
(芝居っぽい)
駄目かな?
この方がロマンチックだと思った。
(いいえ、素敵よ)
あの恵みの月に誓う

おおっと、助けて、落ちる……平気だ
(大丈夫? と引っ張り上げるジュリエット)

もう大丈夫、麗しの君
会いたかった、町一番の美女だ。
(続けて)
完璧な2人
(もっと)
長く語り継がれる
(どのように?)
史上最も強く結ばれる運命の2人
その名はロミオと……
(そうよ)
ロザライン?
と父親の声。声が聞こえたと不審になってきたのです。

父親が去って、「僕たちの名は語り継がれる」とロミオは続けます
が、ロザラインは言います。「それは無理でしょうね。永遠に秘密の恋だもの。モンタギュー家とキャピュレット家は宿敵よ」

ロミオが去り、ひとりバルコニーに残ったロザラインは呟きます。
「"ロミオとロザライン"いい響きだわ」

ロミオが今恋しているのはロザラインで、彼女はジュリエットの"いとこ"なのです。

キャピュレット家の晩餐会

ロザラインの父は強制的に、彼女にペンザ家のダリオという青年とお見合いをさせます。

ロミオが好きなロザラインは不機嫌にダリオと接しますが、ダリオは自分のヨットにロザラインを誘います。彼女は「嵐が来たら」とか何とか理由をつけて乗りません。ダリオは「水が怖いのだな」と彼女の強気な気質をつき、渋々乗るロザラインと一緒に出航します。

とうとう、ロザラインは「恋人がいるの」と話し、ダリオはすぐ帰ることにしました。しかし、その時豪雨になり、雨が止むまで帰れないとダリオ。晩餐会に出たいロザラインはオールで漕ぎはじめますが、しょせん無理な話です。彼女は晩餐会に遅れてしまいました。

晩餐会では〈運命〉ともいうべきことが起こってしまいました。
ロミオとジュリエットが出会ってしまったのです。二人はお互いに一目惚れしてしまったのです。

ロミオの元カノ、ジュリエットにした6つのこと

(huluでの配信はありません)

ジュリエットに恋をしたロミオはロザラインに連絡することも、会うことも避けるようになりました。

ある日、ロミオがキャピュレット家の方にやってきました。ロザラインは胸をときめかせますが、ロミオはジュリエットのバルコニーを目指していたのです。ロザラインは彼を付けていき、バルコニーでロミオとジュリエットが抱擁をするのを見て、失望します。

"ロミオとジュリエット"いい響きじゃない!

ロザラインは、何とかロミオからジュリエットの関心を逸らそうと次の6つのことをしました。

  1. ロミオを女たらしと悪口をいう
    その証拠に、かつて自分を唄っていたロミオの詩を誰にもこんなふうに言っているとジュリエットに話しました。
  2. 世間知らずのジュリエットを居酒屋へ
    ロミオだけが恋人じゃないと示唆したかったから。その結果、ロザラインの思惑通りにジュリエットはロミオを忘れると言ったのです。
  3. モンタギュー家が嫌いなら、キャピュレット家は引っ越せば?
    キャピュレット家の食事会の時、引っ越し先にシエナは、と提案するロザライン。彼女は何とかジュリエットをロミオから離したいのです。
  4. 初心なジュリエットに怪しい大人の本を見せる
    顔を赤らめ、驚くジュリエットでした。
  5. ロミオからジュリエットへの手紙を盗む
    良心の呵責からか、ロザラインはロミオのことをジュリエットに告白しようとします。しかし、そこにロミオがバルコニーの下にやってきました。ジュリエットが外へ出ると、ロザラインはロミオからジュリエットへの手紙の束に気づきそれを盗みました。ジュリエットはロザラインの言うようにロミオに話し、彼を帰らせます。
    その後、ロザラインのペンダントに"ロミオとロザライン"の文字を見つけ、真相に気づいたジュリエット。いとこは喧嘩別れになってしまいました。
  6. パリス伯爵をジュリエットの婚約者にと画作
    ロザラインの友人パリス伯爵は、女に興味がありません。そこで、ロザラインは彼をジュリエットの婚約者にして、ロミオから遠ざけようします。ジュリエットの父はパリス伯爵なら婚約者にふさわしいと、娘にすすめますが拒否されてしまいます。また、ジュリエットはパリス伯爵がロザラインの友人と知ると、部屋の戸を閉めてしまいました。そして……

ロミオとジュリエットの結婚

ジュリエットの父は、娘が受け付けないのはロザラインの悪影響だと言って、ロザラインに何とかジュリエットを説得するよう仕向けます。ロザラインがジュリエットの部屋に様子を見にいくと、彼女はいません。手紙が一通、机の上にありました。

今宵、修道士がそなたを本物の夫に嫁がせる

ロザラインは「まずい、結婚式を止めなくちゃ」と外に出ますが、真っ暗な森の前に怖さで進めません。そこに現れたのがダリオ。彼女の気の強さを考え「森を通り抜けるまで」と一緒に行くことにしました。

歩きながら、ロザラインはダリオに恋している相手がモンタギュー家の人だと告げます。ダリオは「それでは見つかったら殺される」と言ったその時、二人は見つか利、戦いながら逃げます。何とか朝まで逃げ切った二人の間は近づいていました。

ティボルトの死

その日、ロザラインは盗んでいたジュリエットへのロミオの手紙を返すことにします。「ごめんなさい」と手紙を添えて。彼女は若いスティーブに持たしたのですが、間違ってティボルトに渡ってしまったのです。

ロミオとジュリエットの関係を知り、ティボルトが怒らないはずはありません。とうぜん、ロミオとティボルトは争いになり、ティボルトは死んでしまいます。

モンタギュー家とキャピュレット家の人々が集まった中、ジュリエットはロミオの誠実さを訴え、ティボルトとは決闘であったと父に弁明します。

「なぜ、お前が彼(ロミオ)を知っている?」と父は問います。ジュリエットはロミオの手をとり「私の夫だから」と、ロミオも「愛し合っている」と話します。

モンタギュー家とキャピュレット家は口論となりました。そのすきにロミオは逃げました。

ロザライン、ダリオに恋する

ロザラインは、自分のせいでロミオとジュリエットが窮地に陥ったとダリオに助けを求めにいきます。関与しないと言うダリオ。なんとか説得するロザライン。その時、彼女は自分の気持ちとダリオの優しさに気づいたのです。

「船を借りられる」とロザライン。彼女は、ロミオたちを船で逃すつもりだったのです。

ロザラインとダリオはジュリエットのところへ行き、計画を話します。
「ロミオとあなたは波止場へ行き、闇夜に紛れて密かに町を出るの」

ジュリエットの行動力

「ありがとう」と言うジュリエットでしたが、彼女にも計画がありました。一時的に死んだ状態になる毒薬を飲んで、家族が埋葬の準備をする間に、今礼拝堂に隠れているロミオと教会で落ち合うということでした。

ロザラインは、その馬鹿げた計画には失敗の可能性がいくらでもある、と説得しましたが、なんとジュリエットはすでにその毒薬を飲んでいたのです。彼女は、その場で倒れます。最後のドタバタ劇が始まりました……

はたして、ロミオとジュリエットの運命は?
また、ロザラインとダリオは?

まとめ。ロザラインとジュリエットのその後〈ネタバレ〉

大団円を迎えてから、ダリオはロザラインに「なぜか君を放っておけなくて」と軍に戻りませんでした。それを聞いた彼女は、嬉しさでニンマリします。

一方、ロミオとジュリエットは無事にダリオの船に一緒に乗ることになりました。波止場で、ロザラインはお手製の地図を拡げ「キプロス島のパフォス港に上陸する予定よ。ひどい嵐で森に漂着するのもいい」と二人に告げ、その地図をジュリエットに渡します。

「キプロス島へ行くのは初めて」と、幸せそうに未来へ向けて出航するロミオとジュリエット。

二人を見送ったロザラインとダリオ。
「数世紀後、この恋物語がひも解かれる時に、私たちも登場するかしら」とロザライン。
「正直、どうでもいい」とダリオ。
「私もよ」とロザライン。

『ロザライン』End.

エンドロール後、船上のロミオとジュリエットの会話は、お見合いのようにかみ合いません。早くも倦怠期到来? 目的地まではまだまだ7時間ほどかかるようですが……