木村拓哉、風間教官『教場2』を読んでみた
『教場』一作目と同じように、その話の終わりになっても、その説明がされることはありません。「その理由は?」といったモヤモヤ感を持ったまま、先を読んでいきます。だから、警察学校という特殊な世界で慣れないこともあり、『教場2』も読みづらいです。
私には『教場2』でいいと思えるエピソードは、第四話、第五話、第六話です。
しかし、白髪教官・風間公親は、『教場』より『教場2』では、たびたび顔を出します。そのエピソードの主人公に退校届を書くよう引導を渡し、期待を込めて決意を奮起させているのです。
菱沼羽津希が語る、白髪教官・風間の退校届
「第四話 恋慕」の中で、菱沼羽津希(川口春菜)は公報のため地元のTV出演に際し、レポーターにこう話します。風間教官から渡される「退校届」に関してです。
菱沼羽津希「引導を渡されるんです。まずは半分だけ」
レポーター「……と言いますと?」
菱沼羽津希「油断していると、退校届の用紙を差し出されて言われるんです。『これ預かっておけ。私が破れと支持しない限り、一週間後に——』」
レポーター「『名前を書いて提出してもらう』というわけですか」
これが、白髪教官・風間公親です。
開局60周年特別企画番組『教場』では、1作目の登場人物がほとんどですが、『教場2』からは菱沼羽津希(川口春菜)と枝元佑奈(富田望生)が出演者として紹介されています。
菱沼羽津希(川口春菜)は、今までの人生ではいつも中心にいるマドンナ。一方、枝元佑奈(富田望生)は、美人からはほど遠く、柔道をやってきた実直で無骨な女性です。
この二人の女性が出てくるのが「第四話 恋慕」です。美人と不美人の設定がとてもわかりやすく、予想通り最後は美人の菱沼羽津希が負けます。また、武骨な枝元佑奈が、教官に対する恋慕をこっそり手話で表現するのがいじらしいです。
長岡弘樹原作『教場2』
- 第一話 創傷
優等生の桐沢篤が、元新米ドクターだったころの体験と関係するエピソード。なぜ? そのエピソードが南原哲久に関係することを風間教官がみぬけたのか、ちょっと疑問が残ります。 - 第二話 心眼
学生で体格が一番いい柔道が得意な堂本真佐丈のちょっとした盗みは、坂根千亜季に対する憧れか? - 第三話 罰則
親友秦山をおとしめてしまった津木田卓の退職 - 第四話 恋慕
マドンナ菱沼羽津希が無骨な女性の枝元佑奈に敗北。そんな武骨な枝元の教官への恋慕がいじらしい。 - 第五話 机上
仁志川鴻&能木毅人 vs 内倉&児玉。この2組の殺人事件の犯人と被害者を想定する特別教場対決。それはまた、親分・仁志川 vs 子分・能木の対決にもなります。結果は、意外にも子分・能木の勝利に。それは、机上の空論の敗北でもありました。 - 第六話 奉職
「この中で、警察官に憧れているものは?」
『教場』エピローグでの事。この質問に手を挙げなかったある学生に質問する白髪教官・風間。「憧れでなければ、警察官に対してどんな気持ちを持っている」
「文句があります。いろいろと」。こう答えた美浦亮真。彼は人に手をあげることができない性格。そして、彼は一度6年前「教場」で挫折しました。そんな彼が卒業を前に、警察官の務めとして、人に手を出すことができるようになります。
そんな彼は風間に「なぜ教官になっているか?」と問います。「会えるからだよ。きみのような学生に」。これこそが、教官の奉職?
奉職=公の職務につく、またはついていること。
終わりに。『教場0』は白髪教官・風間公親に焦点
木村拓哉演じる白髪教官・風間にはどんな過去があったのでしょうか?
『教場0』は、白髪教官・風間公親に焦点を当てていますが、新米刑事を育てる刑事指導官としての物語。右眼を失ったエピソードも、最後に書かれています。
木村拓哉主演フジテレビ開局60周年特別企画番組『教場』、風間教官のルーツを知るべく『教場0 刑事指導官・風間公親』を読んでみます。
(単行本の帯から)
こんな謎も解けないなら、交番勤務からやり直せ。極悪人も新米刑事も震え上がる伝説のカミソリ捜査官、臨場!
風間道場
難事件の増加に業を煮やした県警本部長が、優秀な刑事の育成を目的として発案したという一種のタスクフォースだ。
【教場原作シリーズ】
→ 長岡弘樹原作『教場』読んだ!木村拓哉主演[教場・教場Ⅱ]はFODで
→ 長岡弘樹原作『教場』エピローグで、風間教官、右義眼を自ら暴露!
→ 長岡弘樹著『教場0 刑事指導官 風間公親』右義眼の戦慄の原因!
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→『教場0』から『教場X 刑事指導官 風間公親』へ。Xの意味は? ネタバレ
【教場ドラマについて】
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