©2022「シン・ウルトラマン」製作委員会 ©円谷プロ
昭和『ウルトラマン』が令和『シン・ウルトラマン』に
『シン・ウルトラマン』Amazon Prime 独占配信(11月18日)で、すぐ見てみました。想像していた以上に、迫力がありました。
デザインはシャープになっているウルトラマンですが、飛行シーンは昭和のウルトラマン模型が空を飛んでいるかのようです。しかし、その迫力が全然違います。スペシウム光線の破壊力は大地を揺るがせます。
また、スタイリッシュなザラブ星人、メフィラス星人、そして驚愕のゼットン、昭和の『ウルトラマン』が、21世紀のSFXの中で躍動します。ストーリーもテンポ良く、飽きることがありません。最後のゼットンとの戦いは、まさに今のデジタル映像を駆使した圧倒的な美しさです。
ぜひ、今の時代の迫力ある『シン・ウルトラマン』を見てください。超おすすめです。
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Contents
『シン・ウルトラマン』あらすじと解説〈ネタバレ〉
『シン・ウルトラマン』のオープニングは『ウルトラQ』。あの墨流しのような模様がタイトルになると「シン・ゴジラ」そして「シン・ウルトラマン」に切り替わります。
ウルトラ・シリーズのファン・サービスのように、『ウルトラQ』の巨大不明生物—ゴメス、マンモスフラワー、ペギラ、ラルゲユウスのカット映像が流れます。ゴメスは『ウルトラQ』の映像ではなく、新たなゴメスになっています。
そして、超自然発生巨大不明生物から敵性大型生物「禍威獣(カイジュウ)」と改名されます。単なる「怪獣」のイメージを変えたいためです。
政府は防災庁を設立し、同時に禍威獣災害対策復興本部を設立。防災庁内に5名の専門家による禍威獣特設対策室、通称「禍特対(カトクタイ)SSSP」を設置します。
【防災庁 禍威獣特設対策室】
- 宗像龍彦(田中哲司)室長
- 田村君男(西島秀俊)班長
- 神永新二(斎藤工)作戦立案担当/警察庁警備局公安課から出向
- 滝明久(有岡大貴)非粒子物理学者
- 船縁由美(早見あかり)汎用生物学者
- 浅見弘子(長澤まさみ)分析官(後から配属)
敵性大型生物5号・溶解禍威獣「カイゲル」の時に、禍特対(カトクタイ)初出動。自衛隊との連携攻撃により、カイゲル駆除。敵性大型生物6号・放射性物質捕食禍威獣「パゴス」を駆除してきました。
そして、電気を食う透明禍威獣7号「ネロンガ」が変電所に出現。電気を止めると施設を破壊し、近隣の集落を破壊していきます。自衛隊の攻撃も電気バリアで迎撃してしまいます。
神永の行動シミュレーションによると、ネロンガは日本中の電気を吸収し、本州全域に放電すると推測されます。そこへ、宗像室長から田村班長に電話があり、政府が核兵器の使用に言及し始めたと伝えます。
しかし、禍特対(カトクタイ)と自衛隊には、ネロンガに対するうつ手が見つかりません。滝はお手上げといい、船縁も、I have no idea. その時、神永は集落に子供が逃げ残っていることに気づき、保護に向かいます。
ウルトラマンの飛来
神永は集落に子供を助けに行ったその時、大気圏外より正体不明の飛翔体が現れます。対地速度、時速1万21000キロ。飛翔体はネロンガの前の地表に激突。その衝撃波により、大きな岩が子供をかばった神永の頭にぶつかります。
飛翔体は、銀色の巨人外星人でした。ネロンガは推定50万キロワットの電気を放電しますが、巨人外星人はびくともしません。ネロンガに悠然と近づいていきます。
ネロンガは透明になり、後退します。の巨人外星人は手を交差させると、スペシウム光線を発射。その凄まじい威力は、ネロンガの後ろの山にも衝撃波が走ります。ネロンガは爆発死し、巨人外星人は空に飛び去ります。
新たな禍威獣(カイジュウ)か、謎の巨人外星人?
巨人外星人の調査に浅見弘子(長澤まさみ)分析官が、公安調査庁から禍特対(カトクタイ)に配属されました。彼女の報告書にはこう記されていました。
正体不明
巨大人型生物
ウルトラマン(仮称)調査報告書
「ウルトラマン」とは、浅見が研修時代にいた組織で、最重要機密案件を意味する符丁でした。
※符丁=隠語・記号・合言葉
ウルトラマン、人間を学ぶ
神永新二(斎藤工)を死なせてしまったウルトラマンは人間として、光の星人として生きる決心をします。
神永になったウルトラマンは、新たにバディになった浅見弘子(長澤まさみ)との挨拶から人間とは? を学んでいきます。その会話がちょっと面白い。
浅見「あさみです。今日からよろしく」
神永は辞書を閉じると(「バディ」を調べていた?)
「神永だ。バディは相棒と理解していいのか?」
浅見「そうね」
神永「ここにいる人間たちはどう呼べばいい?」
浅見「あなたの所属している“禍特対専従班”でしょ」
神永「いや、人間の思考概念的な言葉だ」
浅見「(ふう)ここにいるのはチームメイト、私たちの仲間よ」
神永「……」
ウルトラマンvsザラブ星人
ところで、光の星人が人間・神永(斎藤工)になったことで、人間を媒介にして兵器にできること(ベーターシステムにより)が、全宇宙に知れてしまいます。すべての人類の一人一人が巨大化する生物兵器になるのです。ウルトラマンは外星人に地球への興味を持たせてしまったのです。
早くも、地球の人類を戦わせようとするザラブ星人は日本政府に接触し、宇宙文明の力により、不平等条約を締結しようとします。また、ウルトラマンである神永を拉致監禁し、自ら偽ウルトラマンになり破壊行為をし、ウルトラマン抹殺計画を日本政府に提案。さらに神永がウルトラマンに変身する映像を公開しました。
バディである浅見(長澤まさみ)に助けられた神永=ウルトラマンはザラブ星人と戦います。その空中戦——夜の都会のビル群を背景にした戦いは、あの『マトリックス ・レボリューションズ』のネオとスミスそのままでした。
ザラブ星人を倒したウルトラマンですが、ウルトラマン=神永だと正体を知られてしまった以上、しばらく身を隠します。
ウルトラマンvsメフィラス星人
次に現れたのがメフィラス星人(山本耕史)。彼はウルトラマンと手を組むことを提案します。禍威獣(カイジュウ)を目覚めさせたのも、ウルトラマンを呼び寄せるためだったとも言います。
また、浅見(長澤まさみ)を巨大化してベーターシステムを提供し、日本政府に自分を人類の上級者に位置付けようともします。人類が巨大化できれば、敵対外星人からの防衛になるからです。
しかし、メフィラス星人の真の目的は、巨大人類生物兵器の独占化でした。ウルトラマンはメフィラス星人と対決することを決心し、ベーターシステムの受け渡しの際、禍特対(カトクタイ)とともにベーターシステムを横取りします。
その結果、ウルトラマンはメフィラス星人と戦います。しかし、ウルトラマンの武器はことごとく封じられ、消耗していくウルトラマンはピンチに。そこにウルトラマンの背後に光の星のゾーフィが現れたのです。すると、メフィラス星人は戦いを止めました。
「よそう、ウルトラマン。残念だが、私はここで手を引こう。君を殺してまで手に入れるだけの価値はもうなさそうだ」
と、メフィラス星人は言うと消えました。彼はこの後地球がどうなるか、理解したのです。
ゾーフィは光の星の掟(禁じられた人類との融合)を破ったウルトラマンに代わり、地球と人類(原住生物)の監視者、裁定者としてやってきたのです。
ところで、巨大化した長澤まさみのパンチラは?
巨大化した浅見(長澤まさみ)ですから、人々は下から彼女を見上げることになります。パンチらを見るには、絶好の機会です。また、片足を上げてビルをけるところでストップする浅見。
しかし、下から見たスカートの中は、真っ暗! パンティどころか太腿も見えませんでした(残念!)
〈ゼットンの驚愕〉宇宙怪獣から天体制圧用最終兵器へ
ゾーフィが来た目的、すなわち光の星の意図は、人類すべての人間が巨大化して生物兵器になるリスクを消し去ることでした。
「光の星が確認している知的生命体は130億近く存在する。その1つが消えたところで、宇宙は何も変わらない」と説明するゾーフィ。
その方法が天体制圧用最終兵器ゼットンです。ゾーフィはゼットンを自律プログラムに切り換えます。ゼットンのシステムが整い次第、人類は恒星系ごと滅却されます。
「この星の人類にとって、自分たちは唯一無二だ」と、ウルトラマン。
©円谷プロ
ところで、昭和の『ウルトラマン』では、ゼットンは最強の宇宙怪獣でした。ゼットンはウルトラマンの攻撃をすべて防御し、ウルトラマンを倒しました。
そんなゼットンですが、『シン・ウルトラマン』では、ゾーフィが持ってきた天体制圧用最終兵器です。起動させると、光の星人から独立し、天体を破壊する光球を放つまで自動でセットアップされています。
宇宙空間に浮かぶ最終兵器ゼットンは実に美しく、自動で組み立てられていきます。『ウルトラマン』から『シン・ウルトラマン』になって、最大の見せ場がゼットンになったのも納得です。また、怪獣ではなく、最終兵器にしたアイデアもよかったのではないでしょうか。
ウルトラマンvsゼットン
ウルトラマンはゼットンを止めるべく、負けることを覚悟で戦いに挑みましたが、ゼットンの前ではなす術がありません。ウルトラマン=神永は意識不明となり、病院のベッドの上に運ばれました。
しかし、神永=ウルトラマンは諦めてはいませんでした。人間を信じていたのです。禍特対(カトクタイ)隊員の非粒子物理学者・滝(有岡大貴)にデーターシステムの基礎原理を記録したUSBを託していたのです。
諦めていた滝は世界中の科学者とオンラインでゼットン対策を協議します。結果、ゼットンの地球への火球が放たれる瞬間、衝撃を与えることにより、一瞬開く異空間へゼットンを放り込めると、神永=ウルトラマンに伝えます。
禍特対班長・田村(西島秀俊)はウルトラマンの死もありうるので反対しますが、他にとるべき手段はありません。ウルトラマンはゼットンへと向かいます。
ウルトラマンの最後の意志
ゼットンは異空間にとばされ、地球は救われました。しかし、ウルトラマンはあたかもブラックホールのような異空間に閉じ込められてしまいます。
ウルトラマンの「生き延びたい」という信号をキャッチしたゾーフィは、ウルトラマンを助けにきます。
「死を受け入れる心は生への願望があるからだ」
「ありがとう、ゾーフィ」
「ゼットンを倒した君たちの勇気と知恵と生命力に敬意を表する。滅ぼすには惜しい生命体だ。人類を残置し、傷ついた君を送還するだけとしよう。さあ、光の星に帰ろう」
「ゾーフィ、私は1人の人間と共存している。彼の命を維持するために、私はこのまま地球に残る。
それに、人類にはもう猶予がない。ゼットンを倒した戦闘能力に危機感を持ち、あらゆる知的生命体が地球に現れ続けるだろう。
だが、人類はまだ幼い。私は人間が生き延びる可能性をわずかでも高めるために地球に残る」
「ウルトラマン、それはできない」
光の国で、掟を破った償いをするよう言うゾーフィに対して、
「"人間になる"とは、死を受け入れることだ」
「ウルトラマン、そんなに人間が好きになったのか……」
ウルトラマンと神永を分離するゾーフィ。神永(斎藤工)は、禍特対のみんな——田村(西島秀俊)、船縁(早見あかり)、滝(有岡大貴)、浅見(長澤まさみ)が見まもる中、目を覚まします。はたして、ウルトラマンは死んでしまったのでしょうか?
(この最後のシーンは、まるで『アバター』を見ているようでした)
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『シン・ウルトラマン』成田亨のデザイン・コンセプト
©️成田亨『真実と正義と美の化身』1983年
成田亨氏は『ウルトラQ』『ウルトラマン』『ウルトラセブン』などで美術総監督を務めました。
『真実と正義と美の化身』の美しさを何とか映像にできないか!
と考えた庵野秀明監督は、『真実と正義と美の化身』と成田氏が後年にかけて描いていた様々なウルトラマンのイメージを融合し再構成させました。そのシン・ウルトラマンのデザイン・コンセプトは次の5つ。
- 成田氏が望まなかった、カラータイマーを付けない
- 成田氏が監修した、佐々木明制作によるマスク
- 成田氏が望んだ、古谷敏の体型データをベースとした体躯
- 成田氏が望まなかった、眼の部分に覗き穴を入れない
- 成田氏が望まなかった、スーツ着脱用ファスナーに伴う背鰭を付けない
見た目で一番気がつくのは、3分間のカラータイマーがないことです。このカラータイマーをつけたのは、特撮にあまり予算をかけれなかったので、時間を短縮したことが理由であったということです。
米津玄師:主題歌「M八七」
米津玄師のコメント
「まさか自分が関わることになるとは夢にも思っておらず、青天の霹靂の一言に尽きます」
終わりに〜ウルトラQ・ウルトラマン・ウルトラセブン
1966年1月に始まった『ウルトラQ』第1話「ゴメスを倒せ!」には、その映像に驚きました。怪獣と人間が、一緒に画面に登場していたからです。
それまでの怪獣TVドラマでは『マリンコング』しかなく、マリンコングが出るシーンはマリンコングだけ、人間が出るシーンは人間だけで、マリンコングと人間が一緒に画面に出ることはなかったのです。一緒に画面に出ると、臨場感がまるっきり違います。
円谷プロが『ウルトラQ』に続き、『ウルトラマン(1966年7月)』『キャプテンウルトラ(1967年4月)』『ウルトラセブン(1967年10月)』と続きました。その虜になり、全話見ていました。
今でも良く覚えているのは『ウルトラセブン』の第一話が、修学旅行で行った京都の旅館でたまたま少しだけ見たことです。
その頃に家にビデオデッキがあったかどうかよく覚えていません。ですから、第一話が記憶にあるのは、後で『ウルトラセブン』のビデオを買って見ていたからかもしれません。
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