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X-MEN ファースト・ジェネレーション

『X-MEN ファースト・ジェネレーション』の背景

ショウ(シュミット)の思惑とエリック(マグニートー)の誕生

1944年、ナチス・ドイツ占領下のポーランドの強制収容所で、科学者クラウス・シュミットに、幼いエリック・レーンシャーマグニートー)は見出されました。また、シュミットはエリックの母親を殺すことで、エリックの能力も開花させました。

このように、シュミットは、自分もミュータントであることから後に仲間にできる若いミュータントを集めていたようです。一方、エリックは大きくなると、母親の復讐のためにナチスの幹部を探しては殺し、シュミットの消息を追い続けていました。

シュミットは後にセバスチャン・ショーと名のり、「ヘルファイア・クラブ」のリーダーになり、第三次世界大戦を引き起こそうとソ連とアメリカ内で暗躍します。その目的は、人類を滅ぼしミュータントの時代を作ることです。彼の部下には次の3人のミュータントがいます。

  • エマ・フロスト(テレパシー能力と体をダイアモンド化)
  • アザゼル(テレポートできる)
  • ヤーノシュ・クエステッド(手から竜巻を起こす)

チャールズとCIAエージェント・モイラ

幼いレイヴン・ダークホルムミスティーク)は空腹のため、食べ物を求めチャールズ・エグゼビアプロフェッサーX)の屋敷に忍び込みます。彼女はチャールズに見つかりますが、お互いミュータントであることから、レイヴンは一緒に暮らすことになります。

CIAエージェント・モイラ・マクタガートヘンドリー米軍大佐を追跡し「ヘルファイア・クラブ」のアジトを見つけますが、そこでミュータントの現実を見てしまいます。彼女はイギリスで教授をしているチャールズに接し、協力を要請します。

モイラとチャールズはCIA本部に行き、幹部に「ヘルファイア・クラブ」とミュータントの実態を説明しますが、受け入れてもらえません。しかし、幹部の一人により、チャールズとレイヴンはCIAの極秘研究施設「デヴィジョンX」に入ることになります。

そこには、若い天才科学者ハンク・マッコイビースト)がいました。ハンクが作ったテレパシー増幅用セレブロ(スペイン語「脳」)によるチャールズのミュータント探しが始まります。集められたのは、次の4人でした。

  • エンジェル・サルバドーレ(羽を持ち、酸をはく。後にショー側に)
  • アーマンド・ムニョスダーウィン)(環境適応)
  • アレックス・サマーズハヴォック)(破壊光線)
  • ショーン・キャシディバンシー)(口から高周波)

ウルヴァリン(特別出演)も見つけましたが、一瞥で拒否されました。

宿命の二人! エリックとチャールズの出会い

ある日の夜、チャールズとCIAは「ヘルファイア・クラブ」のクルーザーを追跡し、CIA隊員達がクルーザーを目指していました。

しかし、チャールズは敵の中にテレパスがいることを感じましたが、時すでに遅く、隊員達はヤーノシュの竜巻で散々な目に遭いました。
その時、チャールズはクルーザーを襲う一人のミュータントを見つけます。ショー達はクルーザーの下部に潜水艦を装備していてそれで逃げます。海中をなおも追うミュータント。チャールズは海に飛び込み、「溺れるぞ」と頭に手を当ててを止めます。彼は同時に、男の過去から今までのことをすべて理解しました。そのミュータントがエリックでした。

やがて、チャールズとエリック、モイラはソ連の将校宅に向かいます。ショーは現れずエマ一人が将校をそそのかす手立てでした。撤退しようとしましたが、エリックはどうしてもショーの手がかりを得たいため邸宅へ向かいます。結果、エマを捕まえ、ショーのキューバへのミサイル配備からアメリカとソ連を核戦争にする、計画を知りました。

その頃、ショー達は若いミュータントを仲間にするため「デヴィジョンX」を急襲しました。ダーウィンは殺され、エンジェルは敵に寝返ってしまいました。

その後、チャールズは自分の屋敷をエリックをはじめとするミュータント達に解放し、各自が力を制御できるように訓練しはじめます。

「キューバ危機」ソ連vsアメリカとX-MENの起源

ショーに脅迫されたソ連は、運搬船アラル海号でキューバに核弾頭を運びます。アメリカ大統領ケネディは、海上封鎖してこの一線を越えれば攻撃すると宣言。

チャールズ達はハンクが用意したユニホームを着て「X-MEN」となり、ハンクが作った専用ステルス機で現場に向かいました。

境界線ギリギリになって、ソ連軍は「アラル海号、引き返すんだ。ラインを超えるな」と無線連絡をしますが、応答はありません。乗組員はアザゼルに殺されていたのです。境界ラインに迫るアラル海号。アメリカ軍も攻撃の準備をします。その時、X-MENのステルス機が上空に姿を現します。

「(インデペンデンス号へ、ソ連艦だ。輸送船に引き返せと命令が出ている。攻撃はするな」
とソ連軍はアメリカ軍に伝えますが、アメリカ軍は信じません。
「砲撃用意、合図で撃て」とアメリカの艦長。さらに「5、4、……」とカウントダウンします。

その時、チャールズはソ連軍の将校をテレパシーで操り、アラル海号を砲撃させました。これでキューバ危機は去ったかに思われましたが、潜水艦にいるショーは別計画の実行に移ります。

そんなショーの潜水艦を発見するために、ショーンは海中に潜り口から超音波を発します。チャールズは、潜水艦の位置を把握しました。次はエリックの出番です。

人類vsミュータント?

X-MEN専用ステルス機の車輪に乗ると、エリックはショーの潜水艦を水上に引き揚げます。そしてステルス機は潜水艦を近くの島に運びます。すると、ヤーノシュが潜水艦の外に現れ、竜巻を起こして反撃します。ステルス機と潜水艦はともども島の浜辺に墜落しました。この後、ミュータント同士の戦いが始まります。

アメリカとソ連の軍人達の前で繰り広げられるミュータント同士の戦いに恐怖を覚えた両国は、ある決断をします……

エリックは潜水艦に入ると、チャールズの手助けにより、「人間は我々の敵になる。なのに、なぜ彼らの見方を?」と言うショーの額にナチスのコインを打ち込み、母親の復讐を遂げました。また、他のミュータント同士の戦いでは、幸い誰一人死ぬこともなく終わりました。

その時です。ミュータント同士の戦いに恐怖を覚えたソ連とアメリカの幹部は、浜辺にいるミュータントの攻撃を命令したのです。そこには、チャールズに同行していたCIAエージェントのモイラもいました。しかし、アメリカ幹部にとって、モイラ一人の命は問題にされません。

エリックは無数に飛んでくる砲弾をその能力で逆転させ、ソ連とアメリカの軍艦に向けます。

チャールズは多くの人間が死ぬとエリックを止めますが、エリックは聞き入れません。チャールズはエリックに飛びかかります。砲弾の一部は爆発や落下しますが、まだ多数の砲弾が軍艦に向かっています。すぐ目の前にきた砲弾に、諦める軍人達。

その時、モイラが拳銃でエリックを撃ちますが、エリックは手で銃弾を逸らします。しかし、逸れた銃弾の一つが、チャールズの背中にあたりました。

チャールズのところに駆けつけるエリック。軍艦に向かっていた砲弾はすべて落ちました。エリックはモイラの首のチェーンで彼女を絞め殺そうとしますが、チャールズに止められます。しかし、チャールズは車椅子の人になったのです。

エリックとチャールズの亀裂「マグニートーvsプロフェッサーX」

ここに、エリックとチャールズの方向性の違いがはっきりしました。母親の仇であったショーとエリックは同じ考えで、ミュータントが次代の主役であると主張しマグニートーになったのでした。

一方、チャールズはあくまで人類との共存を考え、プロフェッサーXとして若きミュータントを育てる決心をします。

マグニートーにはアザゼル、ヤーノシュ、エンジェルがつきました。そして、チャールズにはレイヴンの心がわかりますので、彼女に「彼についていけ」と伝えます。マグニートー達4人はアザゼルのテレポートにより消え去ったのでした。

プロフェッサーX側には、ハンク、アレックス、ショーンが残りました。以後、彼らはチャールズの屋敷で生活します。そして、CIAエージェントであるモイラですが、彼女はプロフェッサーXにこの戦いと若いミュータントの消息の記憶を消されます、安全のために。

『X-MEN ファースト・ジェネレーション』終わりに

  • X-MENの起源
  • エリック(マグニートー)とは何者なのか?
  • プロフェッサーXの車椅子生活とその思い
  • マグニートーvsプロフェッサーX 問題はどこにあったのか?
  • なぜウルヴァリンは一匹狼なのか
  • ミュータントと人類は共存できるのか?
  • 後に人類はなぜミュータント殲滅を図るのか
    『X-MEN:ファイナル ディシジョン』では、ミュータントを普通に戻す治療薬「キュア」も作られました。『デイズ・オブ・フューチャーパスト』『ローガン 』ではより、ミュータントの抹殺は深刻になってきます。

映画『X-MEN ファースト・ジェネレーション』には、ミュータントに関するすべての問題の原点が描かれていました。ですから、『X-MEN』シリーズではぜひ見ておきたい映画です。

また、ソ連とアメリカの冷戦時代、特に「キューバ危機」をモチーフにしていて、当時のケネディ大統領の演説をそのまま使っていますので、かなり真に迫っています。

それと、映像もクリアーな今風SFXではなく、泥臭い現実感があります。2011年6月公開ですから、SFXもその程度なのかもしれませんが。

ところで「キューバ危機」は、私が小学生の時でした。新聞もニュースも興味ないクラスメートらと、よく分かっていないまま「今日大変なことが起こる」と話していたのを覚えています。どこから、そんなことを聞いたのか、まったく記憶がありませんが、そのくらい「キューバ危機」は誰にも知られていたのです。

無事「キューバ危機」が終わって、ほっとしました。